資産規模が大きい人は対面で、資産規模が小さい人はロボアドバイザーで、いずれも長期分散投資を行ってきた。この間を埋める、ハイブリッド型が増えてきたというのが、米国のここ5年くらいの動きだ。
「フルの対面サービスではなく、ロボアドバイザーと組み合わせたハイブリッドのサービスであれば、資産規模がそれほど大きくなくても、実際に会ったり、電話したり、ビデオ会議でサポートしていける。もともと長期分散投資を対面で提供する土壌があったうえで、もう少し少額でもできるサービスが、米国で普及するのは自然な流れだ」(柴山氏)
逆にいえば、日本ではまだ長期分散投資自体が根付いていないことに課題がある。日本では、長期分散投資自体から理解してもらう必要がある。米国では、長期分散投資のアドバイスを行ってきたアドバイザーもたくさんいるが、日本ではそうしたアドバイザーも少ない。これが、日本でハイブリッド型は時期尚早だと柴山氏が言う理由だ。
同じように、ロボアド「THEO」を提供するお金のデザインのスチュワートボックス・マットCOOも、日本ではまだ早いと話す。
「米国では昔から長期分散投資のアドバイザーがいるが、日本のIFAなどの進捗をみると、まだ業界としては若い。時間の問題だが、業界がまだ成熟していない」とハイブリッド型の難しさを話す。
米国のハイブリッド型ではアルゴリズムだけの運用に比べて、パフォーマンスが上がるという試算もある。人間がアドバイスを行うことで精神面でのフォローができ、相場急落時などでも売却せず、長期投資を継続できるという効果があるからだ。
ただしマット氏は、この面でも成熟が必要だろうと話す。「人を介するアドバイスは、お客さまがそれに価値を認めて、その分の手数料を支払うようにならなければならない。そこにはまだ時間がかかるだろう」
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