クルマはどう進化する? 新車から読み解く業界動向

トヨタの大人気ない新兵器 ヤリスクロス池田直渡「週刊モータージャーナル」(5/5 ページ)

» 2020年07月27日 07時02分 公開
[池田直渡ITmedia]
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ユーティリティ

 見た目と走り味以外で、ヤリスとヤリスクロスの最も違う部分がこのユーティリティだ。荷室は、リヤシートを起こした状態で390リッター。ゴルフバックが2つ、あるいは110リッターのスーツケースが2つ入る。またリヤシートは4:2:4の3分割で、センター部を倒せばスキーなどの長尺物も収容できる。

 ラゲッジには荷物を固定するベルトなども備えており、SUVとしての使い勝手はかっちりやってある印象だ。

4:2:4で分割できるリヤシート。トランクは板を外すと深くなる他、荷物固定のベルトを標準で装備する

 白眉といえるのは、テールゲートがハンズフリーになっている点。リヤバンパーの下に足を差し出すとゲートが開閉でき、また開閉速度も従来のトヨタ車の2倍に速めてある。

 さてその他でいえば、レーダークルーズコントロールが全車速対応になった。ヤリスは時速30キロ以下非対応だったので、この差はちょっと大きい。

 ただし、正確な数字は未発表だが全高は1550ミリを超えており、立体駐車場は場所によって入れない。

 さて、最後に燃費と値段だ。そんなものはプロトタイプ試乗のタイミングで教えてもらえるわけがないので、あれこれ数値を言ってみて、チーフエンジニアの表情から察した予測だけ書いておく。燃費はハイドブリッドで、ヤリスのWLTC36.0キロ/リットルに対して、30キロ程度だと思われる。価格は最も安いガソリンのFFで200万円以下、一番高いハイブリッドのE-Fourで270万円程度と予想しておく。なお、トヨタは本当に教えてくれないので、外れても責任は負えない。まあ売れるのは間違いない。

筆者プロフィール:池田直渡(いけだなおと)

 1965年神奈川県生まれ。1988年企画室ネコ(現ネコ・パブリッシング)入社。取次営業、自動車雑誌(カー・マガジン、オートメンテナンス、オートカー・ジャパン)の編集、イベント事業などを担当。2006年に退社後スパイス コミニケーションズでビジネスニュースサイト「PRONWEB Watch」編集長に就任。2008年に退社。

 以後、編集プロダクション、グラニテを設立し、クルマのメカニズムと開発思想や社会情勢の結びつきに着目して執筆活動を行う。コメント欄やSNSなどで見かけた気に入った質問には、noteで回答を行っている。


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