多くの日本人からすると、1カ月もの夏休みを気兼ねなく取得できるのはうらやましい話ではあるが、一方で社員が抜けた穴をどのように埋めているかも気になるところだ。
「多くの企業ではチームメンバーの取得時期をズラしたり、夏季限定の大学生のアルバイトを雇ったりして、サービス提供を続けています。当社でも現在、4人の大学生を雇っています」(マヌエル氏)
この夏季限定のアルバイトは「サマージョブ」と呼ばれ、フィンランドでは一般的な大学生の仕事として知られている。場合によっては、夏以降も仕事を続けるケースもあるのだとか。アルバイトとしてお金を稼げることに加えて、社会経験を養うというインターンシップのような側面もあるようだ。
進学している学部の勉強内容を生かせるサマージョブを経験した場合、その経験で大学の単位が取得できることもあるという。さらに、このサマージョブの期間中に良い実績を残せば、その後の就職にも有利になることから、学生にとって軽視できないものなのだ。
企業にとっても、予算を抑えながら仕事の補てんができるうえに、将来有望な学生と出会える可能性があることから、サマージョブは両者にとってウィンウィンの取り組みと言えそうだ。
「当社で働いている4人の大学生は、テック関係やデジタルマーケティングなどの専門知識を持っており、即戦力として活躍してくれています。社員と一緒にミーティングに出て、時には発言することも。サマージョブは通常の採用過程のひとつのプロセスでもあり、彼らの働き具合を見て、優先的に採用することもあります」(マヌエル氏)
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