門外不出の「編集マニュアル」には、何が書かれているのか 累計1000万部を売った話水曜インタビュー劇場(再現性公演)(1/7 ページ)

» 2020年08月19日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 出版界で働く人たちにとって、共通した悩みがある。「部数減」だ。もう耳にタコができるくらい聞き飽きたかもしれないが、改めて出版界の統計を見てみよう。

 全国出版協会のデータによると、書籍は1996年をピークに下落している。もちろん、売れている本もある。漫画『鬼滅の刃』は累計8000万部(7月現在)を超え、田中みな実さんの写真集『Sincerely yours...』も売れに売れた。ビジネス書に目を向けても、『FACTFULNESS(ファクトフルネス)』『メモの魔力』などを手にした人も多いのでは。

出版物の販売額が減少している(出典:全国出版協会)

 しかし、である。将棋の羽生善治さんが七冠を独占したり、Yahoo! JAPANがサービスを始めたり、任天堂がNINTENDO64を発売したり。その年から、書籍の部数減に歯止めがかからないのだ。

 そんな状況の中で、ヒット本を連発している編集者がいる。アスコムの柿内尚文さんだ。「3万部売れればベストセラー」と言われている時代なのに、彼が企画した本のうち50冊以上が10万部を超えていて、累計1000万部以上売れている。市場が大荒れの中で、なぜヒット本を相次いで出すことができるのか。その秘密について、ITmedia ビジネスオンラインの土肥義則が聞いてみた。

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