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» 2020年08月31日 08時00分 公開

「おじさんCEOライブ」大人気!?……日中企業、ECマーケティングで大差がついた訳日本企業も「まね」できるか(1/4 ページ)

中国で活況のECマーケティング。規模に加えCEOライブなど日本に無い先進性も。日中でなぜ差がついたか、中国マーケティングの専門家に聞く。

[服部良祐,ITmedia]

 コロナ禍でますます重要度が増しているEC市場。インバウンド需要の消滅などを受けて百貨店など実店舗頼りの小売りは苦境を迎えている。同様に厳しい市場環境にあるアパレルなどのメーカーは、従来のインフルエンサー活用に加え、自社の従業員なども含めたECマーケティングを強化しつつある。

 一方、コロナ禍以前からECで巨大市場を築いてきたのが中国だ。アリババグループや京東(ジンドン)はAmazonと競合するECの世界的大企業になって久しい。ネット上の季節商戦の1つ「ダブルイレブン(11月11日の「独身の日」)」は、2019年では1日で6兆円を超える売り上げとなった。

photo 2019年、アリババのT-Mallの売り上げが初めて4兆円を突破した中国の「ダブルイレブン」(アリババジャパンのリリースより引用)

世界トップの中国EC市場

 経済産業省の調査によると、19年の日本の消費者向けEC市場規模は19兆3609億円。一方で中国の同年のEC市場規模は、米国をも凌ぎ世界トップとなる1兆9348億ドル(同年末レートで約212兆円)。人口差はあるものの、国民1人当たりの所得差がいまだにあることを考えれば、EC市場において日本よりはるかに活況と言える。

photo 国別のEC市場規模(経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)

 コロナ禍以前から必要性が叫ばれてきたECマーケティングだが、なぜ日中でこのような差がついたのか。特に注目されるインフルエンサーの活用や、ライブ動画から商品を購入させるライブコマースなどを中心に、日本企業の中国でのマーケティング分析・支援を手掛けるトレンドExpressの濱野智成社長に聞いた。

――コロナ禍がいち早く直撃した中国ですが、日本より早く「巣ごもり需要」がクローズアップされたり、オンラインのサービスや授業、動画マーケティングが盛り上がったりもしました。特に中国では、SNS上で影響力を持ちライブコマースなどで活躍するインフルエンサー(KOL、Key Opinion Leader)経由で商品購入する流れが強いとされます。中国の調査会社iResearchによるとこうした中国のKOL市場は18年時点で1000億元(約1兆5000億円)に達し、なお増加傾向にあるとのこと。

「おじさんCEOライブ」で美容品売れた

濱野: 特にコロナ禍の中、中国のEC市場で台頭した手法の1つが「CEO(社長)ライブ」です。古くはスティーブ・ジョブズが当たりますが、社長が商品のプロモーションを(ライブ動画などで)するというものです。

 例えば林清軒という椿のオイルをオフライン・オンラインで販売していた会社があります。コロナのせいで倒産寸前までいったそうですが、社長が「全従業員で販売を」となどと言い出し、TikTok(などの動画)やいろいろなソーシャルコマース(SNSやブログを用いる手法)を通じて従業員全員でEC販売を始めました。中でも一番売れたのがCEO自身だったのです。2月の売り上げは前年より45%も上がったそうです。

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