ペット文化の裾野は広い。日本では、関西大学の宮本勝浩名誉教授が16年にキャットフードや写真集、猫カフェなど「ネコノミクス」による経済効果を発表し、15年の1年間で約2兆3162 億円との試算を出した(リンク )。
日本で飼われている猫の頭数は1000万頭に満たないので(ペットフード協会調査 )、中国版ネコノミクスの大きさは日本の比ではない。
さらに「猫駅長」「猫カレンダー」などのアナログだけでなく、デジタル市場も大きい。ペット、ソフトの両方で先進国と言える日本では1996年に発売された「たまごっち」が社会現象となり、技術の進化に合わせてアップデートが繰り返されてきた。インターネットが家庭で使われるようになった97年には、クマがメールを運ぶソフト「ポストペット」が生まれ、ネットユーザーの間で大人気になった。
日本で少なくとも数十年かけて耕されてきた猫市場が、中国ではこの5年でそれ以上の規模に成長した。
猫狂いを意味する「吸猫」、猫の奴隷を意味する「猫奴」という言葉だけでなく、ペットを飼えない人などがデジタル空間で猫を愛でる「雲養猫」という造語も16年に出現し、完全に定着している。
ネット上で猫を愛でる「雲養猫」。ウェイボで検索すると、多くの猫コンテンツが表示される。
猫画像や動画をSNSでシェアするだけでなく、猫を集めたり、パートナーを見つけ、交配するアプリも数多くあり、それらがネコノミクスの一翼を担っていることが今回の「仮想猫投資詐欺」の背景にある。
アリババとシャオミの寵愛受けた「小鵬汽車」が描く“呂布”テスラを倒す道
コロナ禍を機に活気づく中国のEV業界。米市場へ上場した中国EVメーカーには、2018年上場の蔚来汽車(NIO)、20年7月30日上場の理想汽車、そして8月27日に米ニューヨーク証券取引所へ上場した小鵬汽車がある。小鵬汽車の何小鵬CEOは6月、三国志の呂布にテスラのイーロン・マスクCEOを、そして呂布と戦う3人に米上場3社のCEOを例えた投稿を行った。ここでは同氏の投稿の意図を紐解いていく。
「倍返しより転職しろ」「メガバンクは修羅の世界」半沢直樹にはまる中国人の突っ込み
TBSドラマ「半沢直樹」の続編が中国でもブームで、中国最大の書籍・ドラマレビューサイトでは、10点満点で9.4点をマーク。「勧善懲悪」の分かりやすさが幅広く人気を集める理由だが、結果として、日本の企業文化に対する衝撃や誤解も視聴者から湧きあがっている。ここでは、中国のSNSやブログで続出している突っ込みと考察を紹介したい。
米国のWeChat禁止令で「ファーウェイが伸びアップルが失墜」の可能性
トランプ米大統領が8月6日、「TikTok」のバイトダンス、「WeChat(微信)」のテンセントとの取引を、9月下旬から禁止する大統領令に署名した。TikTokは想定内だが、サプライズなのがテンセントだ。WeChatがアプリストアから削除されれば、iPhoneの出荷台数は25%以上減少するとみるアナリストもいる。
異色の高卒起業家が率いるEVメーカー「理想汽車」、理想を捨て実現したIPO
7月30日にナスダックへ上場した、中国EVメーカー「理想汽車」がナスダックに上場した。2014年に中国で多数設立されたEVメーカーがコロナ禍で次々と破綻するなか、今回の上場で一歩リードし、テスラのライバルを名乗る資格を手にしたと評されている。IPOに至る道のりをを通して、中国マーケットの豊かさと厳しさを紹介したい。
中国でも評価割れる日本のGo To キャンペーン、「第2波の中で無謀」「観光業救う苦肉の策」
日本政府のGO To キャンペーンを中国メディアが報じたが、評価が割れている。キャンペーンの背景にある観光業界救済へ理解を示しつつも、コロナ感染対策の側面では無謀ともしている。一方中国はコロナ感染をほぼ収束させ、北京市は7月20日に市内の観光施設などの入場制限を緩和し、同市をまたぐ団体・パック旅行の販売を解禁した。中国では、感染ルート特定が行動の抑止力になっている。
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