資産というと、建物や工場などの目に見えるもの・形があるものがイメージされやすいが、すべてが目に見えるものとは限らない。
代表的なものとしては、PCやスマートフォンにインストールされるソフトウェアやアプリケーションであろう。これらは、目に見えないものの、企業にとっては日ごろの業務を効率的に実施することができ、価値があるものとなる。そのため、「無形資産」として認識される。
現代においては無形資産がより重要になってきている。GAFAMと呼ばれる世界トップの時価総額をもつIT企業も、提供しているものの多くが無形資産だ。ソフトウェアやシステムなどの無形資産にこそ、価値があるという時代へ進んでいる。
のれんもまた、目には見えなくとも付加価値を生み出す資産ということになる。
減損というワードがニュースでたびたび報じられることがある。目にしたことがある人も多いだろう。減損とは、採算の取れなくなった資産の価値を下げる処理のことだ。
例えば家電エコポイントの終了後、液晶価格が大幅下落したためにシャープは減損で巨額の損失を計上した。工場に対する過去の投資額に対して、液晶パネルの売値が極端に低下してしまい採算が合わなくなったためだ。
買収で発生したのれんも減損の対象となる。純資産より高値で取得したということは高い収益を期待していたことになるが、それが実現できそうにない……となればルールにのっとって減損をする必要がある。
先ほどの例でいえば、純資産100億円の企業を150億円で買収して50億円ののれんを計上したが、収益力がガタ落ちしてのれんの価値が吹き飛んでしまった、という状況であれば50億円の減損を特別損失として計上する。
損失の計上時に50億円のお金を失うわけではないが、過去に買収した150億円の企業の価値が100億円まで下落してしまったことになる。
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