日立製作所は10月26日、2021年度中に社内の押印業務を全面的に廃止すると発表した。在宅勤務活用を標準とする新たな働き方を推進する一環として、出社要因の一つとなっていた押印業務を減らす。また、ペーパーレス化を加速させ、紙の使用を年間約5億枚削減する。
同社は5月、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、在宅勤務の活用を標準とした働き方を推進すると発表。21年度からの正式適用に向けて、働き方の多様化に対応する制度設計や、ジョブ型マネジメントへの転換を進めている。
新たな働き方に向けた業務改革の一環として「ハンコレス」「ペーパーレス」を加速。社内業務のプロセスを見直し、押印を廃止するとともに、インターネットによるフローシステムに移行する。社外向けの押印業務については、電子申請への移行に向けて、取引先や関係者と調整を進める。10月からは、営業や調達の業務において、日立グループが提供する電子署名サービスの使用を始めた。
加えて、社内でペーパーレス推進プロジェクトを開始。国内のグループ企業で年間7億枚使用していた紙を、20年度は約70%(約5億枚)削減する計画だ。
また、多様な働き方に対応するためのオフィス改革も加速。「ベースオフィス」「サテライトオフィス」「在宅勤務」といった勤務場所の選択肢を提供し、それぞれの場所で行う業務を明確化する。ベースオフィスでは、対面で話すためのコミュニケーションスペースを拡充したり、オンライン会議のための遮音ブースを設置したりして、オフィス業務の用途に合った空間に変更する。
在宅勤務中心でもコミュニケーションやマネジメントが滞らないように、グループの管理職を対象としたマネジメント研修も10月から始めた。リモート環境で役立つマネジメントスキルや知識などをオンライン研修で提供し、在宅勤務での業務遂行をサポートする。
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