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» 2020年10月29日 07時00分 公開

アフターコロナ 仕事はこう変わる:「洋服の青山」が自前でつくったシェアオフィス スーツ店が“仕事場”を提供する意味 (2/3)

[加納由希絵,ITmedia]

FCではなく“自前”でシェアオフィスを開発

 青山商事にとってシェアオフィス事業は初めての試み。なぜ新しい事業を立ち上げたのか。開発副本部長の後藤貴紀氏は「新型コロナによって働き方が多様化した。ビジネスウェアだけでなく、新しい需要にも対応する必要があると考え、シェアオフィスに着目した」と説明する。

 同社はこれまでも事業の多角化に取り組んできた。ビジネスウェアを本業としながら、飲食店やリサイクルショップ、100円ショップなどを展開。有名ブランドのフランチャイズチェーン(FC)に加盟して、さまざまな形態の店舗を運営している。

 一方、今回のシェアオフィス事業はFCではない。後藤氏は「自前で新規事業に取り組むのは初めての試み」と明かす。自社で店舗やブランドを開発できれば、好きなようにカスタマイズしたり、顧客の声を反映した運営ができたりするが、FCにはパッケージ化されていて出店しやすく、顧客の認知度も高いというメリットがある。

 今回、自社でシェアオフィスを開発した理由について、後藤氏は「シェアオフィスは『こうすれば成功』という形がまだなく、成熟した事業とはいえない。それならば自前でつくって、お客さまの声を聞きながら改良していきたい」と話す。

「洋服の青山 水道橋東口店」の店内にもシェアオフィスのエントランスがある

 そのため、事前のマーケティング調査を重視。都心でシェアオフィスを運営している企業に話を聞いたり視察をしたりして、働く人のニーズがあると考えられる立地や設備、料金などを検討した。「洋服の青山 水道橋東口店」のスペースの一部を出店場所に決めたのは、駅に近い好立地で、短時間利用にも使いやすいことに加え、店舗空間の有効活用にもつながるからだという。また、テレワーク対応のビジネスカジュアル商品などを販売する店舗にも立ち寄ってもらいやすく、相乗効果も見込める。

 さまざまな種類の個室を設置したのも、既存のシェアオフィスの利用状況から、ニーズがあると判断したからだという。1人用、2人用、3人用のほか、オンライン通話用の個室も用意した。6人用の会議室は2部屋をつなげて最大12人で利用可能。大型ディスプレイやホワイドボードも備えている。

1人用個室(左)と、2人用個室

 設備には、顧客から引き取ったスーツを再利用した素材「リフモ」を使用したテーブルを設置し、環境配慮の姿勢も伝えている。テーブルの表面には糸や繊維がうっすらと見え、ビジネスウェア専門店が運営しているというイメージもわきやすい。

スーツを再利用した素材を使ったテーブル

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