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本格料理に進出? 働き方の変化で“食の新需要”獲得へ、湖池屋の「ニューノーマルおやつ」戦略アフターコロナ 仕事はこう変わる(2/3 ページ)

» 2020年11月27日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]

食生活の変化に対応した「本格料理系お菓子」

 食事回数が増える背景には、特に若い世代で朝食を食べ逃したり、昼食を簡単に済ませたりする傾向もある。食事と食事の間のつなぎとして小腹を満たすために間食をする。「主食と間食の境界があいまいになり、食の『分食化』『乱食化』が進んでいる。そういったニーズに対応するため、食の新たな選択肢を提案したい」(佐藤社長)

 そういった狙いで考案したのが「ニューノーマルおやつ」という新戦略だ。そのコンセプトは「本格料理系お菓子」。特に女性がスナック菓子を中食として食べていること、簡便性のある手軽な小腹満たしが求められていることを着眼点にしたという。

 新戦略商品として、21年春に発売するのが「ハッシュドポテト」「ポテトと料理」の2ブランドだ。

21年春に発売する「ハッシュドポテト クリスピーベーコン」(左)と「ポテトと料理 デミグラスハンバーグ」

 3月下旬に発売するハッシュドポテトは細切りの生ジャガイモを一口サイズのキューブ型にした菓子。ジャガイモの味を引き出す「コクうま塩」と、カリカリのベーコンを混ぜ込んだ「クリスピーベーコン」の2種類を展開する。ザクザクとした食感が心地よい菓子だ。

 ポテトと料理は4月上旬に発売。より本格料理の味わいを追求した商品だ。「デミグラスハンバーグ」と「タルタルフィッシュ」の2種類を展開する。実際にこれらの料理に使う具材からソースを作り、それをポテトの生地で包んだ。一口サイズで“ごちそう”の味わいを提供する。噛んだ瞬間に中から濃厚なソースが出てくる、新しい感覚の菓子だ。

 スナック菓子のジャンルを超えた商品は、20年10月に先行して発売している。チャック付きパウチ入りの商品で、「ハッシュドポテト」のほか、大豆たんぱく肉で作った「罪なきからあげ」、キャラメルを使ってデザートのように仕上げた「キャラメル×スコーン」を発売した。これらが大人や女性を中心に好評であることから、「この分野をさらに伸ばしていけるのでは」(佐藤社長)と、本格展開を決めたという。

20年10月に発売した「ハッシュドポテト」「罪なきからあげ」「キャラメル×スコーン」

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