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本格料理に進出? 働き方の変化で“食の新需要”獲得へ、湖池屋の「ニューノーマルおやつ」戦略アフターコロナ 仕事はこう変わる(3/3 ページ)

» 2020年11月27日 07時00分 公開
[加納由希絵ITmedia]
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中食・総菜市場への進出を視野に

 これらの商品を「お菓子の形状をした料理」として訴求していく。メインターゲットは、仕事や育児で忙しく“食べ逃し”が多い20〜30代女性だ。佐藤社長は、ニューノーマルおやつで「2〜3年で30億円ぐらいの売り上げを作っていきたい」と意気込む。

 新市場進出による商品ラインアップ増加に対応するため、工場も2カ所増設する。21年1月、埼玉県加須市に「関東第三工場」を稼働。新商品の「ハッシュドポテト」や「ポテトと料理」を製造する。また、21年7月には、熊本県益城町に「九州阿蘇工場」を開業予定。九州で主力商品を製造することで、東日本から西日本への商品移動を減らし、物流を効率化する。加えて、九州でのジャガイモの産地拡大や、現地の素材を使った商品開発なども進めていくという。

 佐藤社長は、ニューノーマルおやつの新戦略について、「菓子の市場規模は約4兆円だが、中食・総菜市場は約10兆円で成長を続けている。その市場への本格進出に向けた取り組みにしたい」と語った。

 食に対する価値観は時代によって変化しているが、新型コロナの影響で、食習慣が変わっただけでなく、家の中を中心とした“新しい食体験”の需要も拡大しているだろう。湖池屋は、ライフスタイルやニーズに合った「新たな食の選択肢」を提供するため、長年培ってきた商品開発力を生かしていく。

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