アリババグループの祖業はECだが、現在は金融、フードデリバリー、動画、小売りなど生活に関わる多様なプラットフォームを展開している。QRコード決済「アリペイ」は元々、ECサイトでの決済ツールとして開発され、物流子会社の「菜鳥網絡」は独身の日セールの物流麻痺をITで解決するために設立された。
独身の日セールは、これらグループで総力を投じた戦いでもある。同セールの20年の取引額は4982億元で、19年の2684億元(約4兆260億円)から倍近く増え、10年の9億3600万元から10年で530倍に増えた。
20年の取引額増加の大きな要因は、これまで11月11日の1日限りだった決済日を4日間に分散させ、決済・配送のピークを2回に分けたことにあるが、楽天のEC事業の19年の国内流通総額(3兆8595億円)の2倍に及ぶ注文が3週間で発生しており、コンピューター処理には巨大な負荷がかかる。
アリババは19年の独身の日セールで、全ての基幹システムをアリババクラウドに移行し、処理能力を大幅に高めた。同社によると20年のセールピーク時(11月11日0時26秒)の1秒あたりの注文処理件数は58.3万件で、10年前の1秒1000件から583倍に増えたという。この処理量は、「イギリスの国立図書館が運営する2013以降のWebアーカイブデータ量の15倍に匹敵する」(アリババクラウド)そうだ。
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