ハイテク株を舐めてはいけない 2021年の市場は「ゴルディロックス」に (2/3 ページ)

» 2020年12月10日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

貯まったマネーは、株に向かうか消費に向かうか

 ハイテクの強さとともに、21年の世界市場はいわゆる“ゴルディロックス”、適温相場になると見る。ゴルディロックスを見込む理由の1つは、先のITセクターでの構造調整だ。2つめには低金利を挙げる。

 「物価が上がらない状況の中では、(中央銀行は)低金利を維持しなくてはいけない。低金利に最も恩恵を受けるのはハイテク株」

 3つめには、コロナ対策の補助金や給付金などによる過剰流動性だ。現金と預金を合わせたいわゆる「M1」は、これまでの歴史でなかったほどに積み上がった。企業や個人の銀行口座には、かつてないほどのお金が入っている状況だ。

現金と預金を合わせたM1は、コロナ禍で大きく積み上がっている(三井住友DSアセットマネジメント)

 「行き場のないM1(マネー)がたまっている。このお金を株式に投資するのか、モノを買うのか。消費が本格的に戻らないのであれば、このお金は株式に流れるのではないか」

 ただし、21年の後半は不透明だ。4〜6月のタイミングで、世界経済の回復や、ワクチンの浸透など市場の牽引材料が出尽くす見込み。「好材料が出尽くすのが4〜6月の時期だとすると、お金は1〜3月に動く。1月にはIMFが新しい見通しを出すなど、カタリスト(触媒)が集まりやすい局面にある」からだ。

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