ハイテク株を舐めてはいけない 2021年の市場は「ゴルディロックス」に (3/3 ページ)

» 2020年12月10日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]
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リスクは長期金利の上昇

 リスクもある。最大のリスクは、ワクチンの動向ではなく長期金利だという見立てだ。現時点では、需要落ち込みの影響が強くデフレ懸念が強いため、期待インフレ率も上昇せず、長期金利も低位で安定している。しかし、経済の状況次第ではそれが逆転するかもしれない。

 「米国の雇用統計が少し悪化するくらいなら、金融緩和は止められないだろうと市場は判断するが、雇用統計が例えば2カ月連続で上昇すると、(金融緩和の停止をにらんで)長期金利が反応するだろう」

今後3年の米政策金利の予測。しばらくの間は低金利が継続すると予測する(三井住友DSアセットマネジメント)

 現在、コロナ禍を受けてさまざまな社会の変化が起きている。小さな政府から大きな政府への転換、資本分配から労働分配重視への転換、グローバライゼーションの巻き戻し、企業マージンの圧縮、外国人労働者など労働供給の減少、財政赤字拡大などだ。中長期の視点では、これらのことから、「長期的には1980年代以降、35〜40年継続してきたインフレ率、長期金利のダウントレンドが転換する可能性がある」とした。

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