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2万人調査、コロナ禍で拡大する「テレワーク格差」――継続希望者は増加するも……正社員調査(1/2 ページ)

» 2020年12月17日 18時00分 公開
[ITmedia]

 新型コロナの第3波の脅威が増す昨今。人材シンクタンクのパーソル総合研究所(東京都千代田区)がテレワークの実施状況について正社員に2万人規模の調査を11月実施したところ、実施率は約半年前とほぼ横ばいの結果になった。一方、企業規模によって実施率の差は拡大する傾向にあり、“テレワーク格差”がさらに開きつつあると言えそうだ。

photo コロナ第3波の中、テレワークしていますか?(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

中小で不利なテレワーク

 調査は11月18日〜23日、同社が全国の20歳〜59歳の正社員約2万人に実施した。合わせて非正規雇用の人約3000人、人事・総務・経営層約800人にも調査している。

 まず調査時期におけるテレワーク実施率について正社員に調査したところ、11月は24.7%となった。緊急事態宣言直後で比率が最も高まった4月の同調査(第2回)では27.9%で、5月29日〜6月2日の第3回調査は25.7%だった。今回は前回に比べ微減、ほぼ横ばいという結果に。

photo 正社員のテレワーク実施率の推移(パーソル総研・第4回テレワーク実施率調査)

 ただ、その内実を見ると一種の「テレワーク格差」が進行している、とも言えそうだ。所属企業の規模別にテレワーク実施率を分析したところ、従業員1万人以上の企業では45%となった。一方で100人未満では13.1%となり、その差は約3.4倍に。

photo 所属企業規模別に見た正社員のテレワーク実施率(パーソル総研・第4回テレワーク実施率調査)

 ちなみに、前回の5〜6月時点調査では同様に比較した格差は約2.7倍となっていた。テレワークの普及は制度整備や実施コストのため、特に中小企業に不利とされてきたが、コロナ禍が拡大する今も企業規模でこの格差が拡大している結果となった。

 同様の差は正社員と非正規の間でも現れている。正社員のテレワーク実施率が24.7%だったのに対し、非正規雇用の人では15.8%となった。前回調査よりこの格差はわずかだが拡大している。「テレワークできない業務のしわ寄せが非正規に」といった指摘は以前からあったが、こうした就業形態の違いによるテレワーク格差も依然として大きいようだ。

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