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ロボアド初の上場 潜在市場は16兆円超 ウェルスナビ柴山CEO単独インタビュー(1/4 ページ)

» 2020年12月22日 09時15分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 顧客の資産をアルゴリズムに従って自動で運用するロボアドバイザー国内最大手のウェルスナビが12月22日、東証マザーズに上場した。調達した資金を使い、何を目指すのか。同社の柴山和久CEOに聞いた。

ロボアドバイザーサービス「WealthNavi」を提供するウェルスナビの柴山和久CEO(ウェルスナビ提供)

金融アドバイスの社会インフラ目指す

――ロボアドサービスとして国内初の上場となる。資産運用サービスの会社として、上場することのメリットをどう捉えているか。

 上場の目的は、機動的な資金調達が可能になること、そしてお客さまの信頼向上。その2点だ。

 まだ市場の株価が回復していない5月時点で、お客さま3000人以上にアンケートを取ったところ、「10年以上WealthNaviを使い続けるつもりです」という人が67%を占めていた。長期的に利用意向のあるお客さまに対して、経営基盤を強化することで信頼を向上させていく。そして安定的にサービスを提供し続けられるようにすることが重要だ。

同社ユーザーの多くが、長期間の利用を志向している(ウェルスナビ実施のアンケートより)

――上場で調達する資金の使いみちとして、人材獲得や広告宣伝を挙げている。

 今回、約30億円の資金調達を予定している。2つの柱があり、1つは事業成長を実現するための人材獲得と広告宣伝だ。

 もう1つが自己資本の充実となる。「働く世代に豊かさを」というミッションを掲げて、資産形成をサポートするので、誰でも安心して利用できる、社会インフラとしてのサービスづくりを目指している。

 インフラづくりの観点からは、事業の成長スピードを維持していくことが重要であり、広告宣伝や事業を支える人材の獲得が非常に重要だと考えている。

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