コロナ禍の経営悪化、企業の“既往症”が影響? 2021年に向けた、マネジメントのヒントを探るマネジメントで振り返る2020年(3/4 ページ)

» 2020年12月28日 05時00分 公開
[大関暁夫ITmedia]

オーナー系企業でも既往症が顕在化

 その他の業界でも、既往症を持つ企業はコロナ禍で軒並み苦しい状況に追い込まれています。例えば大塚家具がその筆頭でしょう。

 “親子喧嘩”以降続いている業績低迷からの復活を期してヤマダ電機の軍門に下り再建に力を尽くすも、回復を図るにはコロナ禍のダメージはあまりに大き過ぎました。大塚久美子前社長は退任を余儀なくされ、家具界の名門企業は創業家の手を離れることになったのです。

大処分市を開くなど、従来の高級イメージと離れた戦略も打っているが……(出所:大塚家具公式Webサイト)

 また、緊急事態宣言以降の自粛生活のあおりで廃業・閉店が相次ぐ外食産業では、近年の大量出店が重荷となって大幅な赤字を生んでいた「いきなり!ステーキ」を運営するペッパーフードサービスが、“泣きっ面に蜂”状態に陥っていることも周知の事実です。祖業のペッパーランチを手放し、ファンドの支援を得つつもなお債務超過から脱却できず、光明は全く見えていません。

 経営者、特にオーナー経営者は「裸の王様」になりがちです。基本的に、経営者の周囲にはイエスマンが群がるもの、との理解をもって自らの“肌露出度”に注意を払う必要があります。日頃から自己の主張に固執しすぎず、外部からの厳しい意見にも耳を傾ける姿勢が大切であると、つくづく思わされるところです。

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