JRグループで唯一、JR東海は在来線最終列車の繰り上げや運転本数削減の予定がない。
同社に問い合わせたところ、太多線や名松線を除く各線区でダイヤ改正は行なうが、時刻修正や接続改善など、軽微なものになるそうだ。また、JR東日本首都圏やJR西日本関西圏とは異なり、在来線の最終列車は早い時刻だという。
参考までに紹介すると、現行ダイヤの名古屋駅最終列車は、東海道本線上り普通電車大府行き、中央本線下りの普通電車高蔵寺行きで、ともに0時20分発。加えて、東海道本線静岡県内の最終列車は23時台の発車が多い。
一方、JR東日本東京駅の最終列車は、山手線外回り1時03分発の各駅停車品川行き(21年1月20日から当面のあいだ、池袋ー東京ー品川間運休)。JR西日本大阪駅の最終列車(夜行列車を除く)は、大阪環状線外回り0時33分発の各駅停車京橋行きである。
JR東海が在来線の最終列車を繰り上げないことに決めたもうひとつの理由は、「最終新幹線からの接続を持っている列車も多い」(JR東海談)こと。東海道本線のJR東海エリアで、東海道新幹線に接続するのは、熱海、三島、静岡、掛川、浜松、豊橋、三河安城、名古屋、米原の9駅。このうち、在来線の熱海はJR東日本管轄駅、米原はJR西日本管轄駅である。
東海道新幹線で当該駅に到着する最終列車と、東海道本線の接続列車の現行ダイヤを調べたところ、三島は東海道本線上りの旅客列車が終了している。函南へ向かうには、東海道新幹線の別の列車で熱海へ向かうか、そのまま下車してタクシーで直行するしかない。
豊橋は東海道本線上り最終列車(平日は普通電車、土休は快速の浜松行き)の発車時刻が23時11分なので、東海道新幹線下り豊橋発の最終列車となる「ひかり669号」名古屋行きでは間に合わず、手前の浜松で東海道本線下り23時34分発の普通電車豊橋行きに乗り換える必要がある。全て良好な接続ではないが、可能な限り乗客の利便性を確保している点は大いに評価できる。
ただ、新型コロナウイルスの影響もあり、「引き続き、輸送動向を注視してまいります」の由。この状況が長引けば、22年春のダイヤ改正で見直しも考えられる。
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