規制の不確実性という霧は濃いままだが、少なくとも20年第3四半期において、アリババはコロナ禍という不確実性を味方につけ、大きく業績を伸ばした。
同社の中国小売り事業の月間アクティブユーザー(MAU)は20年12月に9億200万人に達し、9月から2100万人増えた。
中国最大のECプラットフォームでもあるTmall(天猫)の20年12月の流通総額(GMV)は前年同期比19%増加。巣ごもり需要を捉え、日用品と家具が大きく伸びた。消費者間(C2C)マーケットプレイスのタオバオ(淘宝)も、アパレル、アクセサリー、インテリア、家電が全体を牽引した。
決算会見で張会長が比較的時間を割いて説明したのが、コロナ禍によるライフスタイルの変化と消費の二極化を象徴する小売り分野の新事業「タオバオ特価版」や「タオバオ売菜」だ。
「タオバオ特価版」は工場と消費者を直接つなぐC2M(Consumer to Manufacture)取引のプラットフォームで20年春にローンチした。小売店やメーカーなどの中間業者を介さないため、価格も当然安くなる。アリババは決算発表のハイライトとして、タオバオ特価版のMAUが12月に1億人を超えたと発表した。
アリババグループ20年第3四半期の「セグメント別収益貢献度」
ジャック・マー氏“失踪”直前のスピーチ全文(前編)
2カ月余り公の場に姿を現さず、その消息がさまざまな憶測を呼んでいるアリババのジャック・マー(馬雲)前会長。2020年10月24日に氏が行ったスピーチが、中国の金融当局を批判し、習近平国家主席らの怒りを買ったとの説もあるが、実際の発言と大きくずれた報道も増えている。そこで、筆者訳のスピーチ全文を全2回に分けて紹介したい。
ジャック・マー氏“失踪”直前のスピーチ全文(後編)
アリババのジャック・マー(馬雲)前会長が、2カ月余り公の場に姿を現さず、消息についてさまざまな憶測が流れている。氏が2020年10月24日のスピーチで、中国の金融当局を批判したため、習近平国家主席らの怒りを買ったとの説もある。今回は、筆者訳のスピーチ全文の後編を紹介する。
上場延期で衝撃、中国・アントを知る5つのキーワード
史上最大のIPOと注目されていた中国アリババの金融子会社アント・グループの上場延期が11月3日に発表された。ジャック・マー氏ら幹部3人が前日に金融当局の指導を受け、上場計画の見直しを迫られたことが理由だ。本稿ではアントの歴史や事業構造、今後の見通しなどを5つのキーワードからひも解いていく。
「6年前のM&A」でアリババに罰金、企業分割もちらつかせる中国当局の真意
アリババなど中国大手IT企業3社が12月14日、独占禁止法違反で50万元(約800元)の罰金を課せられた。いずれも過去のM&Aを当局へ申請しなかった点が問題視されている。世界ではGAFAへの規制が強まっているが、中国をデジタル大国に押し上げた立役者であるメガIT企業に対しても、同様に当局の姿勢が締め付けへと変化している。
楽天の国内年間流通額の2倍、「独身の日」を支えるアリババの最新技術
中国最大のECセール「独身の日」で、アリババのECサイトは今年4982億元(約7兆7200億円)の取引額を記録。楽天の国内年間取引額の2倍に相当する注文・決済・配送需要が2〜3週間に集中する同セールを乗り越えるために、さまざまな技術がアップデートされてきた。ここでは、2020年のセールを支えた最新技術を紹介する。
アリババ「独身の日」セール、2020年は期間4倍 〜「ニューノーマル」で構造見直し
世界最大のECセール「独身の日」が中国で始まった。売上高を更新し続ける同セールだが、インタネットやEC人口は頭打ちで、構造改革を迫られていた。ここでは、セールの歴史をおさらいしつつ、コロナ禍の「ニューノーマル」が、構造の見直しに好機となっている今年の動きを紹介したい。
「孫正義氏はアリババへの投資で運を使い切った」中国メディアが分析するソフトバンク低迷の要因
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中国「感染リスク判定アプリ」、“病歴・飲酒・喫煙データ収集構想”に波紋
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