コロナワクチン、有効率90%超えの真の意味専門家のイロメガネ(1/5 ページ)

» 2021年02月09日 05時00分 公開
[松本華哉ITmedia]

 2021年の年明け、緊急事態宣言が発令された。20年末から続く新型コロナウイルスの感染者増加を受けたものだ。そんな中、現在期待されているのが新型コロナウイルスのワクチンだ。

 20年11月、開発中のワクチンの有効性90%以上というニュースが続けて報道された。そして12月2日、イギリス政府はファイザーのワクチンを承認した。

ファイザーWeb

 日本で接種される予定のファイザーを含めた海外製薬会社3社のワクチンは、全て90%を超える有効率が臨床試験で確認されている。国内では2月にも接種が始まると報じられているが、さまざまな情報が錯綜(さくそう)している。

 ワクチン接種は医療従事者や高齢者から始まることになっているが、執筆時点では国内でワクチンはまだ承認されていない(ファイザーのワクチンは20年12月8日に申請)。先日は6月までに調達予定だったファイザーのワクチンが「年内に調達」と期間が先延ばしになったとも報じられている。

 河野太郎氏がワクチン大臣(新型コロナワクチン接種推進担当大臣)に任命された事が話題になり、ワクチンの不安を過剰にあおる記事が批判され削除や訂正に追い込まれたり、中国で「闇ワクチン」を打った人がいるという話まで報じられたりする始末だ。

 今後ワクチンを無事調達できたとしても、ファイザーのワクチン管理はマイナス70度で行う必要がある。大量の冷凍庫の準備からコールドチェーンと呼ばれる超低温での輸送体制の確保、そして日本全国で数千万人を対象に実際に接種を行うまでの体制の整備も簡単ではない。

 コロナ禍が続く状況で期待されているワクチンだが、不安と期待が入り混じった状態で正確な情報を得られず困っている人も多いだろう。医薬品の開発業界で長く働く薬剤師の立場から、有効率90%のワクチンが本当に救世主になるのか、改めて考えてみたい。

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