例えば、先ほどのパターン(1)については、雇用契約期間を無期限にするための努力が必要だと考えます(下図における矢印)。
ただ、根本的に解決しなければならないのは、パターン(1)か(2)かに関わらず、長期安定雇用を希望する働き手が不本意に期間限定の仕事を選択せざるを得ない状況があるという現実です。
冒頭でお示しした通り、非正規雇用と呼ばれる働き方の人は40%近くいます。非正規雇用の中で最も多くの割合を占めるパートタイマーの実態について厚生労働省が調査した「平成28年パートタイム労働者総合実態調査」によると、パートを選んだ理由として最も多かったのは「自分の都合の良い時間(日) に働きたいから」で57.0%です。これはポジティブな理由といえます。一方、「正社員として採用されなかったから」(7.4%)、「正社員としての募集が見つからなかったから」(11.7%)など、ネガティブで不本意といえる理由は少数にとどまります。
しかし、「家庭の事情(育児・介護等)で正社員として働けないから」(16.6%)など、本当は正社員と呼ばれる働き方を希望しているのに、致し方なくパートで働いているという「潜在的不本意層」も存在することを考えると、実質的な不本意層は数値以上に多いと考えられます。
表で示したように、期間を軸に整理した場合、働き手の不本意層は長期安定雇用を望んでいる人たちです。長期安定雇用希望者が期間限定の仕事を選ばざるを得ない現状が少なからず存在するということは、それだけ無期限で従事できる仕事の数が世の中に足りていないということです。それを直接的に解決するには、無期限の仕事の数をもっと増やす必要があります。
一方で、期間限定の仕事の現状についても改善する必要があります。
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