パナの高級トースター「ビストロ」は、なぜ2倍ペースで売れているのか水曜インタビュー劇場(アツアツ公演)(2/5 ページ)

» 2021年03月10日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

トースター市場は年170万台で推移

土肥: トースターのビストロが売れているようですね。2月に発売したところ、前年比2倍ペースで売れているようで。その秘密をお聞きする前に、機能面について教えてください。無駄を排除したデザインになっていて、前面にあるのはクリックダイヤルと2つのボタンだけですよね。

内田: 使い方はシンプルな形に仕上げました。クリックダイヤルを回して「あつぎりトースト」「アレンジトースト」など15個の自動メニューと手動メニューの中から対象を選び、スタートボタンを押すだけ。焼き加減は、5段階から選択できるようにしました。

シンプルなデザインに仕上げた

土肥: 従来モデルは「トースト」「ピザ」などと書かれたボタンを押すだけでよかったので、ダイヤルを回す一手間が増えたことになりますよね。ま、それはすぐに慣れるとして、トースター市場はいまどうなっているのでしょうか?

内田: 14年と比較して16年は7%も市場が拡大しているんですよね。販売台数の伸びに対して、平均単価も上昇傾向にある。つまり、高級トースターが売れていることで、単価が上昇しているのではないでしょうか。

土肥: ちょっと調べたところ、パナソニックはずいぶん前からトースターを扱っているんですよね。初号機が登場したのは、1935年までさかのぼる。ラジオを持っていない人たちが店前に群がっていた、いわゆる「街頭ラジオ」が流行っていたころに販売していたようで。

トースター初号機は1935年に発売

内田: ご指摘の通り、トースターの歴史は古くて、いまから86年前の話になりますね。また、オーブントースターは59年前に登場しました。これまでたくさんの商品を世に出してきたのですが、その中でも1999年に発売した「NB-G100」というモデルによって、できることが大きく変わりました。近赤外線ヒーターを搭載したことで、食材の中まで火を通すことができるようになったんですよね。

 その技術は脈々と引き継がれていまして、2月に発売した「ビストロ」には遠近トリプルヒーターを搭載しました。遠赤外線ヒーターによって表面をすばやくカリっと焼き上げることができて、近赤外線ヒーターによって食材の中へ浸透し、中までアツアツにすることができるようになりました。

土肥: 中までアツアツということですが、数字でいうと?

遠近トリプルヒーターを搭載

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