AI insideの衝撃【前編】売上を250%成長させるSaaSの逆セオリー(3/7 ページ)

» 2021年03月12日 05時00分 公開
[早船明夫ITmedia]

SaaSサービスとしては異例の高成長――驚異の売上高成長率と2回の大幅上方修正

 20年、AI insideは新興株式市場マザーズにおいて業績・株価の面で最も注目を集めた企業の1社です。19年12月のIPOにおける初値1万2900円に対し、20年11月においてはその7倍まで高騰し9万6000円を記録しました(21年3月時点では4万円前後で推移)。

 その要因となったのは、期中に行われた2回の業績上方修正です。

AI inside売上高当期予想

 21年3月期期初の5月時点では、通期売上高の見通しは26.3億円の予想でした。しかし第1四半期決算公表時点の8月では35.8億円(+35.9%)へ上方修正、第2四半期決算公表時点の11月では、さらに+25%の上方修正で44.7億円での着地予想を公表しています。

 上場企業において期中で四半期ごとにこのような上昇幅の業績修正を公表することは非常にまれであり、加速度的な成長スピードが多くの投資家の注目と期待を集めました。

 足元、2月12日に行われた第3四半期決算では業績予想は変わらず据え置かれたため、上方修正を期待する投資家の期待に反し、株価を下げているものの、その後2月22日には米国の機関投資家「キャピタル・リサーチ・アンド・マネージメント」が、大量保有報告書でAI insideの6.45%の株式保有を明らかにするなど、海外投資家からもにわかに注目が集まっています。

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