急成長を続けるSaaS企業においては、「THE Model」と呼ばれる営業プロセスモデルが主流であり、高い売上高成長率を記録する企業が増えています。
「THE Model」は、営業プロセスを切り分け、各段階での情報を数値化・可視化する取り組みです。マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスといった人員配置を基本的な組織形態として設置します。いわば分業化による強力な社内直販体制の構築です。
このような手法を取り入れながら、国内SaaS企業として最も高い時価総額を誇るfreeeは、定常的な収益を示すARR成長率が年率で+49.9%、国内SaaS最大手のSansanは+24.3%といった高い成長水準に達しています。
SaaS上場企業ARRランキング(2021年2月)
軒並み高い成長率をみせるSaaS企業の中でも、AI insideは他を圧倒する水準であることが伺えます。なぜ同社はここまで急速な成長が可能なのでしょうか。
その秘訣(ひけつ)は、渡久地氏がインタビュー中に口にした「エクスポネンシャルな成長を目指す」という、他のSaaS企業とは異なった圧倒的な成長志向と、そこから導き出された「SaaSの逆セオリー」にあると筆者は考えています。
※エクスポネンシャルは「指数関数的」の意味であり、リニア(直線的)な成長と区別して使われることが多い。
- SaaS企業の時価総額はなぜ高いのか?
この数年、SaaS企業は新興企業向け株式市場マザーズのIPOにおいて大きな存在感を見せています。新興市場のけん引役ともいえるほど躍進をしたSaaS企業ですが、果たしてこの勢いは、21年以降も続いていくのでしょうか。
- ビジネスパーソンのためのSaaS KPI入門
ビジネス用語として定着した“SaaS”ですが、このビジネスを理解する上で欠かせないのが「SaaS KPI」と呼ばれる指標です。この記事では、SaaSビジネスにおいて、国内トップランナーであるfreeeの決算説明資料を基に、ビジネスパーソンが最低限押さえておきたいSaaS KPIの解説を行っていきます。
- 「高く仕入れて、安く売れ」 なぜSaaSビジネスは理解されないのか?
既存の財務諸表の見方からすると、SaaS企業の評価は厳しいものとなることが多い。赤字先行型で、なかなか利益が出にくいモデルだからだ。そうなる構造的な理由はどこにあるのか。ERPのフロント機能をクラウドで提供する、国内SaaS企業のさきがけの1社でもあるチームスピリットの荻島浩司社長に、SaaSビジネスの捉え方を聞いた。
- SaaSはバックオフィスの何を変えるのか
バックオフィス業務を支える便利な道具に、SaaS(サース)がある。営業やマーケティングの分野が先行して導入が進んだが、ここにきてバックオフィスにもSaaSの活用は広がっている。SaaSを導入して効率化された企業もあれば、逆にうまく活用できずに生産性が下がってしまったという企業もある。その違いはどこにあるのか。
- SaaS企業をアナリストが分析「企業データが使えるノート」公開
クラフトデータは11月20日、アナリストがSaaS企業のKPIデータや企業分析コンテンツを行う「企業データが使えるノート」を公開した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.