マーケティング・シンカ論

「1日3回」が歯磨き粉市場に起こした“大逆転”とは? ライオンがしかけた啓蒙マーケティングのすごみ消費行動の変化(1/6 ページ)

» 2021年03月26日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

 ライオンの業績が好調です。

 2020年3月のコロナショック時、ライオン株に買いが集まりました。理由は、国内シェアトップであるハンドソープの需要が急増したことでした。20年2月、同社のハンドソープ「キレイキレイ」の売り上げは前年の3倍。店頭では品切れの状態が続きました。

歯磨き粉に起きた“大逆転”とは?(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 しかし、それ以上に好調なのが歯ブラシや歯磨き粉などの「オーラルケア」だとはあまり知られていません。

 同社は、この分野に集中投資をしてオーラルケア市場でダントツの実績を上げています。歯磨き粉で国内シェアの3割、歯ブラシで4割のシェアを誇るライオン。どのようにしてシェアを高めていったのでしょうか。

 流通小売り・サービス業のコンサルティングを約30年続けてきたムガマエ株式会社代表の経営コンサルタント、岩崎剛幸がマーケティングの視点から分析していきます。

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