日本進出7年で売上200億突破のアンカー・ジャパン、“成功の裏側”と多ブランド戦略の意図家電メーカー進化論(2/9 ページ)

» 2021年03月31日 11時00分 公開
[倉本春ITmedia]

「当たり前のこと」をして積み上げた実績

――アンカー・ジャパンがトップメーカーとして日本国内で認知されるまで本当に短期間でしたが、その理由はどこにあるのでしょう

 まずひとつは環境要因だと感じています。日本法人の設立当時は、スマートフォンの周辺機器というカテゴリーの市場がとにかく右肩上がりで伸びていました。そのなかでも、モバイルバッテリーというカテゴリーには勢いがありました。

 当初我々は、製品を主にAmazon.co.jpで販売していたのですが、当時はAmazon.co.jp自体の販売規模も急激に大きくなっている時期でした。このような環境要因をしっかりと捉えてビジネス戦略を設計したのが最大の要因だと考えています。

 なぜ日本でトップのチャージングブランドになれたかといえば、ロジカルに考え、「当たり前」のことを着実に積み重ねていったからという回答に尽きます。例えばAmazon.co.jpに出品したらまずプロダクトカテゴリーで1位を確実に取る。そうしたら次は充電器を出し、そのカテゴリーでも1位を取る……と、出した製品のシェアをしっかり勝ち取りながら、戦うカテゴリーを増やしていきました。

 そしてシェアを取るためには、より良い製品を求めやすい価格で売る。マーケティングの基本である、いわゆる4P「プロダクト(製品)」「プライス(価格)」「プレイス(流通)」「プロモーション(販売促進)」が重要だと考えています。

20年8月24日には、中国深センにある本社が深セン証券取引所・ChiNextへ上場。本社も含めて、急成長を遂げている(上場時の報道資料より)

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