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上司を「まねる」ことが仕事なのか そんな時代は新社会人へ(2/3 ページ)

» 2021年03月31日 06時00分 公開
[猪口真INSIGHT NOW!]
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 まず覚えさせられる「ホウレンソウ」などは最たるものだろう。報告したり、相談したりすることは悪いことではないが、テレワークでの仕事の仕方など、先輩に聞いてもわからない。むしろ、テレワークにも、組織のへんちくりんな見えないルールを持ちこむものだから余計に面倒だ。

(例えば、ミーティングアプリに表示される顔の順番など、意味がわからないこと)

 おそらく、「新入社員研修」は、予定どおり行われるのだろう。しかも、従来のプログラムをオンラインに乗せただけのものが大半だろう。

 社会人としての最低限のマナーは身につける必要があるだろうが、仕事の仕方や価値を生み利益を上げる仕組みは、これまでの対面を前提としたものであることを忘れてはいけない。

 かつてであれば、新入社員研修期間があり、試用期間のなかで様々な仕事を経験させられ、本配属となり、その後OJTという名で先輩につき、仕事の仕方を一から学ぶということで進んでいった。

 ところが、テレワークでは、OJTはほぼ機能しないと思っておいたほうがいい。せいぜい、顧客やパートナーとのミーティングに参加し、先輩とのミーティングを定期的に行うことぐらいだろう。それで覚えることがあったとしても、(先輩の自慢話や武勇伝がほとんどだから)新しい仕事のやり方では通用しないことばかりだろう。

 これから入社する人たちは、史上初「上司を真似ることが仕事ではない」世代となる。これまでは、上司に追いつき、上司の代わりの人材になることが目標だったが、これからはそうではない。新しい価値の生み出し方を自分で考えることが前提となった新しい世代となる。前例がないのだから。

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