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» 2021年04月20日 05時00分 公開

TBS佐々木卓社長に聞く、地方局の東京支社をシェアオフィスに移転する狙い 「JNN系列をさらに強い集団に」地方局のオフィス改革【後編】(1/3 ページ)

港区赤坂に完成したシェアオフィスに、地方の放送局の東京支社が相次いで移転した。移転しているのはTBSをキー局とするニュースネットワークであるジャパン・ニュース・ネットワーク(JNN)系列の地方局。TBSのトップである佐々木卓社長を直撃した。

[田中圭太郎,ITmedia]

 TBSをキー局とするJNN系列28社のうち、約半数の13社が東京支社を港区赤坂のシェアオフィス「SPACES赤坂」に移転する。今年3月から5社が先行して業務を開始。TBSもサポートをするために入居している。系列局の東京支社とキー局がシェアオフィスで業務を始めるのは、他の系列にはないJNN独自の取り組みだ。

phot 系列局の東京支社とキー局がシェアオフィスで業務を始めるのは、他の系列にはないJNN独自の取り組みだ(SPACES赤坂、以下撮影:山本宏樹)

 業務がスタートしたばかりの3月23日、「SPACES赤坂」をTBSホールディングス・TBSテレビの佐々木卓社長が訪れた。4階から6階にある地方局の専有スペースを訪れて、系列各社の東京支社長と気さくに言葉を交わしたあと、3階の共有スペースを見学。佐々木社長はこのオフィスを今後も訪れるという。

 JNN系列局13社がシェアオフィスに入居を決めた詳細な経緯は、前編「TBSと地方局、「放送業界初」の狙いは? JNN系列地方局の約半数が東京支社をシェアオフィスに移転」でレポートした。TBSが系列局の合理化策の一環として、各社に呼びかけて実現。コロナ禍で在宅勤務が広がったこともあり、銀座周辺などに構えていた従来の東京支社をシェアオフィスに変えることによって、コスト削減につなげようとしている。

 しかし、TBSの目的はそれだけではない。シェアオフィスへの参加は佐々木卓社長が直接各社の幹部に呼びかけた。その理由を佐々木社長は「JNNをさらに強い集団にするため」だと話す。放送業界初の取り組みの狙いを、TBSのトップである佐々木社長にインタビューした。

phot 佐々木卓(ささき・たかし)TBSホールディングス・TBSテレビ社長。早稲田大学法学部卒業後の1982年、東京放送(現TBSテレビ)入社。北京支局長、「筑紫哲也ニュース23」プロデューサー、編成局編成部長、経理局長、グループ経営企画局長、編成局長などを経て、2015年TBSテレビ取締役。16年常務取締役、17年専務取締役。2018年6月からTBSテレビ社長、TBSホールディングス社長。一般社団法人日本民間放送連盟副会長。東京都出身

建前なしで話せるコミュニケーションの場に

――TBSが系列局に東京支社のシェアオフィス移転を呼びかけたのは2020年の7月からです。わずかな期間に13社の入居が決まりました。これだけの局がシェアオフィスに集まったことについては、どのように感じていますか。

 私たちがJNN各社の皆さんにお勧めして、13社も入居していただいたことは、とてもうれしいですし、エキサイティングなことだと思っています。お勧めした理由は、系列局の皆さんの経費を削減するお手伝いをしたいというのもありましたが、ここにコミュニティーを作りたかったからです。

phot SPACES赤坂

――コミュニティーを作りたかったのはどのような目的からでしょうか。

 JNN28社は放送やニュースで紳士協定のネットワークを結んでいますが、もともとは独立した資本の別々の会社です。一つの会社で北海道から沖縄まで事業所を持っているのであれば、全国の情報を常に共有できますが、別の会社ですからそこまでの情報共有は難しい面がありました。それに、これまでは必要があるときだけしかコミュニケーションを取っていませんでした。

 しかも、別々の会社としてコミュニーケーションをしていると、どうしても会話の中に建前ができてしまいます。まずあいさつをして、自分たちの主張を話す。JNN各社の幹部が全国から集まる会議を年1回開いていますが、自分たちの建前をしゃべるだけで終わってしまいます。

 各社の幹部も本当は腹を割って、自由闊達な話し合いをしようと考えているとは思います。でも、そのためにはロケーションや環境が大事ですよね。SPACES赤坂の共有スペースであれば、リラックスして自由な会話ができる雰囲気があります。それに、今はリモートで会議をすることも多いですが、やはり実際に会うことで「談論風発」といいますか、日常的に活発に議論ができるようになると考えています。

phot

――JNN系列の情報交換の場になるということでしょうか。

 ここにくるとJNNの人がいて、何らかの情報交換や意見交換ができて、「みんな早耳になりますよ」という拠点にできたらいいなと思っています。僕らも時々訪れることによって、仕事の用件がなくても、雑談やコロナの状況など、ビジネス以外のコミュニケーションができる空間にしたいと考えました。系列各社の関係性をより近くするための一つの実験ですね。

phot インタビューもSPACES赤坂内で実施した(左は筆者)
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