スーパーなのに「18時」閉店!? コロナ禍の「時短時代」を生き抜くヒントを探る店舗運営のこれから(5/6 ページ)

» 2021年04月26日 05時00分 公開
[岩崎剛幸ITmedia]

コロナで生活が激変

 しかし、コロナによって人々の生活は激変しました。在宅勤務が増え、外出が減りました。出社しても、定時に終了してそのまま帰宅するビジネスパーソンも増加しています。遅い時間まで店を開ける必要が徐々になくなってきているのです。

消費者の購買行動が変化

 実際、全国スーパーマーケット協会が調査したデータによれば、感染拡大後には食品を購入する時間帯が平日・休日共に早まっています。19〜22時台の買い物が減り、午前中からお昼までに買い物をする人が増えています。平日では、混みやすい夕方の時間帯を避ける傾向も見られます。

 このようなライフスタイルの変化に対応するなら、今がチャンスと同社は考えたのでしょう。また、閉店時間が早ければ、パート・アルバイトの募集がしやすくなるメリットもあります。

 閉店時間を早めた分、朝は9時にオープン。営業時間内に全力を尽くすという店内POPのメッセージ通り、社員の働き方もより効率的になります。実際、小平店の従業員の動きはスピーディーでした。そして、売り上げを伸ばすため、閉店ギリギリまで「もう一品の品出し」に励むスタッフの姿も見受けられました。短時間での営業は働き方にも好影響をもたらしているようです。

 また、同店は「ロープライスのユートピアを作る」と理念に掲げている通り、驚くほどの低価格で商品を販売しています。生鮮三品の品ぞろえは圧倒的に強く、日配品でもPB商品をグループ会社が作るなど、さまざまな方法で低価格を実現しています。結果的に、値引きをほとんどしていません。

 多くのスーパーマーケットでは、閉店1時間前になるとスタッフが値引きシールを貼って商品の売り切りに入ります。ロスをなくすためです。一方、ロピア小平店は閉店間際になっても、値引きシールを貼る光景がほとんど見られません。つまり、作業のムダがないのです。余分な作業から解放されているので、スタッフは本来の業務に集中でき、効率よく仕事を終えられます。スタッフの生産性という点でも、時短は効果がありそうです。 

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