ワークマン10期連続最高益 PB強化で「ジュニアアイテム」から「スーツ」まで(2/2 ページ)

» 2021年05月11日 10時15分 公開
[上間貴大ITmedia]
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ワークマンプラスに#ワークマン女子の出店で906店舗体制

 店舗展開では、ワークマンプラスの出店を拡大したほか、持続的成長を見込む店舗として、新業態「#ワークマン女子」の展開を開始した。2020年10月に横浜市の商業施設に1号店を出店し、21年3月には東京都墨田区に「東京ソラマチ店」を開業させた。

#ワークマン女子東京ソラマチ店

 売場面積・駐車台数を拡張した店舗や1階が駐車場で2階が売り場の「ピロティタイプ」の店舗を出店するなど、新フォーマットの標準化に向けた取り組みも促進。その結果「ワークマン」が632店舗、「ワークマンプラス」272店舗、「#ワークマン女子」2店舗となり、店舗数は合計906店舗。チェーン全店の売上高は1466億円(前年同期比20.2%増、既存店前年同期比14.2%増)となった。

 既存店の売上高を地域別に見ると、長崎県で前期比36.8%増、高知県で同31.9%増、佐賀県で同31.6%増と全ての県で前年を上回る結果に。

 商品別の売上高は、作業服やアウトドアウェアなどの「ワーキングウェア」が前期比19.1%増の458億円。軍手や保護具などの「作業用品」が同13.5%増の375億円、スポーツウェアなどの「カジュアルウェア」が同28.8%増の203億円などとなった。

21年3月期決算説明会資料より

来期も出店・製品開発を加速

 同社は、今後の見通しとして「三密」回避の消費行動が強くなり、国内市場でアウトドア需要が高まると予測。アンバサダーとの製品開発を進め、新機能・新カテゴリーに挑戦しより一層の客層拡大に取り組むとしている。

アンバサダーとの製品開発で客層拡大を狙う(公式Webサイトより)

 プロ向け製品では、機能とデザイン、価格で競合他社との差別化を鮮明にしたPB商品の開発を強化。製品群の再構築を図り、プロ顧客の囲い込みとシェア拡大を目指す。また、生産管理体制の強化や季節に応じて売場展開を変える「4シーズン制」を推進。在庫の最適化を図るサプライチェーン・マネジメントの高度化も進めていく。

 物流施策も強化する方針だ。21年9月には群馬県の伊勢崎流通センターを拡張。また、西日本流通センターの開設に向けたプロジェクトを推進し、加盟店への安定供給と物流コストの抑制を目指す。

 出店戦略では、ロードサイドで#ワークマン女子の展開を加速させる。ワークマン既存店は一般客が急増し駐車場が満車になることが多く、現場への行き帰りに車で店舗へ立ち寄ることが多い作業客の需要に応えられなくなっていた。そこで#ワークマン女子の店舗数を増やして一般客を従来の店舗から分散。双方の需要に応える狙いがある。

ロードサイド型の#ワークマン女子の出店を加速(プレスリリースより)

 また、ワークマンプラスは出店密度の低いエリアへの新規出店やスクラップ&ビルド、既存店の改装で展開を拡大する。販売力に合わせた店舗フォーマットを確立し、22年3月末に945店舗体制を構築。中長期の目標として国内1500店舗体制を目指す。

 22年3月期の通期予想として、営業総収入1144億円、営業利益266億円、純利益181億円を見込み、純利益ベースで11期連続の過去最高益達成を目指す。

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