感染予防の観点から、「新しい生活様式」で欠かせないのは、レジ袋に限らず、非接触性が高い衛生的な使い捨てのプラスチック製品だ。
例えば不織布のマスク。その原料は主にポリプロピレンというプラスチックなのだ。
また、外食におけるテークアウトの包装や、スーパーなどで今まで大皿から好きなだけトングで取るセルフ形式だった総菜を小分けするのに、プラスチック容器が使われている。感染症予防に最適な素材として、ワンウェイのプラスチックが重宝されている。
小泉大臣の意気込む「環境に良いこと」と、ニューノーマルの生活様式は矛盾している。アフターコロナでも次の感染症に襲われるリスクを鑑みれば、「環境に良いこと」が持続可能かどうか疑わしい。
政府は、脱炭素社会を目指して将来的に「炭素税」の導入を考えているようだ。レジ袋有料化はその布石の可能性がある。
レジ袋や使い捨てのスプーン、ストローの海洋流出を防ぎたいなら、ポイ捨てを徹底的に防止すべきだろう。
ポリエステルやポリプロピレンは、きれいに燃えて有毒な物質を発生させない。高性能の焼却炉で漏れなく燃やし、排熱を発電などに利用するサーマルリサイクルを推進すれば、それで良いのではないかと思えるのだ。
長浜淳之介(ながはま・じゅんのすけ)
兵庫県出身。同志社大学法学部卒業。業界紙記者、ビジネス雑誌編集者を経て、角川春樹事務所編集者より1997年にフリーとなる。ビジネス、IT、飲食、流通、歴史、街歩き、サブカルなど多彩な方面で、執筆、編集を行っている。共著に『図解ICタグビジネスのすべて』(日本能率協会マネジメントセンター)など。
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