流行している手法を取り入れた動画を配信し、注目度を高めることも重要だが、それだけでは企業の魅力や商品を認知してもらうことは難しい。では、動画マーケティングに力を入れていきたい企業はどうすればいいのか。こす.くまの2人によるとカギは企業のパーソナル化だという。
「企業の広報など特定の人物をたてたり、その企業の思いや特徴を動画に乗せたりすることが重要です。消費者がその人のファンになることが、ひいては企業のファンになることにつながっていきます。ファンが付けば動画だけでなく他の施策を通して効果的にアプローチをしていくことができます」(すのはらさん)
パーソナル化をうまく実践している事例として、清掃代行を手掛ける企業の「片付けトントン」というチャンネルがある。ゴミやモノが散乱した部屋をきれいに片づける動画を、営業担当の実況解説付きで投稿している。
「一般の人が普段見ることのできない仕事風景」を見ることができる点が視聴者の興味をそそるようだ。15年8月にアカウントを開設してから、現在までの動画の累計再生回数は約7000万回となっている。
企業の特色を前面に出した動画配信を通して知名度を高め、ファンを付ける。そののちに購買促進や採用活動など、企業の目的に沿った施策を展開していくことでファンに確実に情報を届けることができるようになる。
動画に自社の社員を登場させる手もあるが、有名YouTuberに依頼して(PR)などと明記したうえで、自社の商品・サービスを宣伝してもらう手もある。その際にはどのような点に注意すべきだろうか
「動画マーケティングを成功させるためには、一方的に企業のメッセージを伝えるのではなく、YouTuberを通した先にいるユーザーの気持ちを考えることが重要です。自社の情報をどんな消費者に届けたいか、どのYouTuberを通してなら伝えられるかを整理してみると戦略が立てやすくなります」(すのはらさん)
動画マーケティングを成功に導くには、流行っている動画や人気チャンネル、自社チャンネルの再生回数などを地道に研究していく必要がある。長い道のりかもしれないが、継続することで大きな成果が期待できるのかもしれない。
【お詫びと訂正:2021年6月18日午前10時の初出で、「こすくま」と記載いたしましたが、正しくは「こす.くま」でした。6月18日午後2時、該当箇所を修正いたしました。お詫びして訂正いたします。】
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