猫用おやつ「ちゅ〜る」はなぜ売れる? 飼い主も“やみつき”にする戦略に迫る長浜淳之介のトレンドアンテナ(3/5 ページ)

» 2021年06月22日 05時00分 公開
[長浜淳之介ITmedia]

「飽きっぽい」性格に対応

 猫は「飽きっぽい」という傾向がある。そのため、いなばでは「ちゅ〜る」だけでも、非常に多くの商品を販売している。公式Webサイトには、120種類もの商品が紹介されている。

 商品のバリエーションとしては、「まぐろ&ほたて貝柱」「とりささみ&日本海産かに」といったように、ベーシックなマグロやとりササミをベースとして、猫が好みそうな食材を組み合わせているものが多い。購入するのは人間なので、「人間の好みでは?」という説もある。

「まぐろ」や「ささみ」が中心(出所:いなばペットフード公式Webサイト)

 機能性を高めた商品もある。例えば、サプリの要素がある「乳酸菌入り」シリーズ、「総合栄養食」シリーズ、「水分補給」シリーズなども販売されている。

 成猫用だけでなく、コラーゲンを配合した「11歳からの」シリーズや、オリゴ糖・タウリン・キトサンを配合した「子猫用」シリーズもそろえる。それぞれ、老猫や子猫向けに健康に配慮した成分を入れている。

健康に配慮した商品(出所:いなばペットフード公式Webサイト)

 健康に不安がある猫用には、リンとナトリウムを控えた「腎臓の健康維持に配慮」シリーズ、尿石の形成を抑える「下部尿路配慮」シリーズ、ストレスを緩和するラクティウムを配合した「心の健康維持に配慮」シリーズなどもあり、それぞれに「まぐろ」などのフレーバーがある。

 腎臓に問題がある人に向けた加工食品が、一般の健常者と同じブランドで発売する例をまず聞かないが、キャットフードのほうがある意味で進んでいるのかもしれない。

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