さて、ここまで読んで、古原さんってこれまでどんな容器をつくってきたの? と思われたかもしれない。2021年、アサヒビールの大ヒット商品といえば、「スーパードライ 生ジョッキ缶」である。缶のフタを開けて、しばらく待つと、泡がじわじわ増えて、クリーミーな泡がもこもこ盛り上がってくるアレだ。
4月に発売したところ、すぐに完売。その後、再販するものの、スーパーやコンビニの棚から商品が数日で消えてしまう。出荷停止に何度も追い込まれているほど売れに売れている、生ジョッキ缶の“生みの親”でもある。これまでになかった容器を次々と世に出す、秘けつはどこにあるのだろうか。
「ゼロから新しいモノを生み出すことって、難しいですよね。既存の技術を組み合わせてイノベーションが生まれてくるので、こちらから『これがイノベーションだ』と訴えても、消費者はなかなか付いてきてくれません。新しいライフスタイルなどを提案して、それを受け入れてもらうにはどうすればいいのか。たくさんの『人』と会わなければいけないと思っているんですよね。
自分の頭の中だけで考えて、商品を開発しても、世間の興味・関心からズレてしまう。多くの人の行動を変えるには、たくさんの『人』と接して、そうした人たちの『声』と『声』を組み合わせて、アイデアが生まれるといった感じですね」
次は、どんな商品が生まれてくるのか。そして、消費者の行動をどのように変えるのか。楽しみである。
キユーピーの「ゆでたまご」が、なぜ“倍々ゲーム”のように売れているのか
あわあわあわ! なぜアサヒビールの「生ジョッキ缶」から、泡が次々に出てくるのか
すぐに完売! 1枚焼きの「ホットサンドソロ」は、どうやって開発したのか
10年で116万台減少! 「世界一の自販機大国ニッポン」はなぜ衰退したのか
“売れない魚”の寿司が、なぜ20年も売れ続けているのかCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング