2年で3万台が売れた! スマホ操作の聴覚サポートイヤフォンが好調なワケ3万円で高機能(6/6 ページ)

» 2021年06月30日 12時58分 公開
[小林香織ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4|5|6       

目指すは「ヘルスケア・プラットフォーム」への進化

米クラウドファンディングIndiegogoのプロジェクトページより

 20年11月には、2度目となるIndiegogoでのクラウドファンディングを実施。両耳装着の「Olive Pro」(オリーブ プロ)の予約販売を行い、約2億4000万円を集めた。日本向けにも新製品の開発が進んでおり、年内には何らかの発表ができる見込みだという。さらに、順天堂東京江東高齢者医療センター耳鼻咽喉科で「オリーブ スマート イヤー」の院内紹介も開始された。

 今後の戦略を聞くと、ユーザーの聞こえ方の変化に関するデータを生かして、「ヘルスケアプラットフォーム」を展開したいとオーウェン氏。

 「まだHowは固まっていませんが、テクノロジー企業としてためてきたデータを有効活用して、事業を発展させたい。耳鳴り軽減や認知症予防の脳トレなど、脳科学の知識も含めて、より広く“聞こえ”の課題をサポートできるヘルスケアプラットフォームの展開を考えています」

 「オリーブ スマート イヤー」を購入した50〜70代のユーザーからは、「製品のおかげで生活が変わった」と感謝と喜びをつづった手紙が多数寄せられており、その反応がオーウェン氏の一番の原動力になっているという。

 今後、難聴の課題がより深刻になる可能性が高い日本で、聴覚サポート市場はますます勢いを増していくに違いない。

前のページへ 1|2|3|4|5|6       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.