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» 2021年07月14日 07時00分 公開

テレワーク手当は、報酬と見なされるのか? 社会保険の「定時決定」「随時改定」の実務を確認する社労士が解説(1/4 ページ)

社会保険の算定基礎届においては、テレワーク時の交通費や在宅勤務手当の費用が報酬に含まれるのか、在宅勤務手当を支給した際の随時改定はどうなるか悩むことでしょう。それらの実務を確認します。

[企業実務]

 社会保険の算定基礎届においては、テレワーク時の交通費や在宅勤務手当の費用が報酬に含まれるのか、在宅勤務手当を支給した際の随時改定はどうなるか悩むことでしょう。それらの実務を確認します。

photo 写真はイメージです(提供:ゲッティイメージズ)

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 本記事は、2021年7月号に掲載された「テレワーク下での『定時決定』『随時改定』の実務を確認する」を、ITmedia ビジネスオンライン編集部で一部編集し、転載したものです。


テレワーク制度に関連する手当

 今年の社会保険の算定基礎届において例年と大きく異なるのは、テレワークの導入によって手当や費用を新設した場合です。

 テレワークを導入したことにより支払われる手当については、次のようなものが挙げられます。

  • 在宅勤務手当
  • 在宅勤務中に出社した交通費
  • 通信費、光熱費
  • 事務用品、機器の購入費用
  • レンタルオフィスの利用料

 まず、原則的な考え方として、全てに共通するのは、「実費弁償分として支払われているか否か」という点です。

 実際にかかった分だけ(実費弁償分)を精算する意味合いとして支払われるのであれば定時決定および随時改定の対象外、報酬として支払われるのであれば報酬等に該当する、と考えて差し支えないでしょう。

【1】在宅勤務手当

 最も多いのが、テレワークの導入により、通勤交通費や定期代が不要になる一方で、自宅で作業をするための必要経費分として、在宅勤務手当や在宅手当などを新設したケースでしょう。この場合の取り扱いは、次の通りです。

・(1)在宅勤務手当が、労働の対償として支払われる性質のもの(実費弁償分にあたらないもの)である場合

 従業員が在宅勤務をすることによって支払われる手当であり、その金銭を企業に返還する必要がないもの(例えば、企業が在宅勤務を命じた従業員に対して月額1万円、または在宅勤務1日につき300円、などと定めて一律に支給する場合)であれば、社会保険料や労働保険料の算定基礎となる報酬・賃金に含まれます。

 「自宅で仕事をするようになったら光熱費が上がったといわれたから、その分として支払う」、というような理由であっても、一律の金額を支給しているのであれば、報酬・賃金と見なされます。

・(2)在宅勤務手当が、実費弁償に当たるようなものである場合

 従業員が、在宅勤務をするに当たって、業務に使用するパソコンの購入やインターネット通信に要する費用について、企業が負担して在宅勤務対象者に支払うケースであって、業務遂行に必要な費用にかかる実費分を在宅勤務手当という名称で支給する場合には、原則として社会保険料や労働保険料等の算定基礎となる報酬・賃金に含む必要はありません。

 ただし、パソコンなどの事務用機器の購入については例外もありますので、後ほど詳述します。

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