おおむね快適に過ごせた1週間だったが、失敗点がなかったわけではない。
筆者は自宅を出発する際、ディスプレイ利用可の部屋を選んだから大丈夫だろうと、HDMIケーブルを持たずに家を出てしまった。しかし、部屋に備えついているテレビをディスプレイとして利用できるのみ。フロントにも確認したが、ケーブルの用意はなかった。
幸い、筆者は別の部屋で夫がワーケーションをしていた。夫はあまりディスプレイを使わないがケーブルは持ってきていたため、ほとんどの時間私がケーブルを使うことになった。
ワーケーションを実施する際は、家やオフィスから遠い場所で長期間働くので、当たり前だが忘れ物には気を付けたい。
宿泊費用は素泊まりで3万2780円、温泉施設が別料金で4000円(5日間のフリーパス)。食費や交通費も含め、使用したのは1週間で5万円あまり。通常の旅行からかけ離れた金額にはならなかったので、リフレッシュしたいが、コロナ禍であまり観光もできないし、長期間仕事も休めない……という際に、良い手段だと感じた。
実際、筆者の場合は下がっていたモチベーションが回復、ダルさを感じていた体調も改善した。こなした仕事量が増えたわけではないが、このようなヒーリングの効果を大きく実感した。
特に助かったのは、家事をする必要がなかったことだ。在宅勤務を始めたばかりの昨年春は、休憩時間に小まめに家事をしていた。しかし在宅勤務が長引くにつれ、仕事とプライベートの境界線があいまいになり、「たまっている家事をしなくては」「でも、この仕事も終わらせなくては」と常に追われているような気分になっていた。
そんな中、ワーケーションをしてみて、普段より仕事を楽しく感じた。旅先特有の気分の向上もあるだろうが、何より自分は「仕事に疲れていた」というよりも、「狭い自宅での、仕事と家事の両立に疲れていた」と気が付いた。
今、在宅勤務で疲れを感じている読者にはぜひワーケーションの検討を勧めたい。また、社員の疲れやモチベーション低下が気になる人事や総務担当者も、制度として導入を検討してみてはいかがだろうか。
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