体温で発電する「マザーブレスレット」にざわつく 開発の狙いは?充電不要(5/6 ページ)

» 2021年07月30日 08時00分 公開
[小林香織ITmedia]

B2CからB2Bへ。クラファン後に描く道筋

 マザー ブレスレットは、21年7月7日にMakuakeにてクラウドファンディングを開始。7月下旬現在、約1000人が支援し、4500万円以上の支援金が集まっている。彼らにとって、この反響は想定内だったようだ。

 「2020年1月に催されたCES(米国展示会)で、マザー ブレスレットのプロトタイプを発表した際、国内160件、国外201件のWebメディアに掲載され、想定を上回るリアクションがありました。その後も、継続してメディアや企業から取材や商品購入の問い合わせが入る状態でしたので、相応の反応があるだろうと期待はありました。支援者の年代は30〜50代が75%、性別はほぼ男性で、こちらも狙い通りです」

 とはいえ、「気になる」というリアクションが、実際に購買につながるかについては、不安が拭(ぬぐ)えなかった。そのため、資金調達に加えテストマーケティングの場として、クラウドファンディングを選択したという。

 「クラウドファンディングでは最大50%オフの割引価格で提供していますので、このあたりはシビアに判断する必要があります。それでも1つ3万円(25%オフの場合、3万3000円)ほどの製品に需要があるのは、当社にとって大きなファクト。機能性が類似しているウェアラブルトラッカーは1万円前後の価格帯が相場ですから。一般発売の際は、定価4万4000円の価値を感じていただける要素を追加して、展開する予定です」

マザーブレスレットは、健康意識が高い30〜50代の男性に指示を得ている

 今回のクラウドファンディングでは、企業向けのまとめ販売(10本、20本、40本)も提供しているが、すでに10本セットは受付終了し、好調のようだ。業界は介護、医療、建設関係の企業が占めているとのこと。この結果を踏まえ、B2Bでの販路拡大も見込んでいるという。

 「企業向けの健康管理システムも開発中で、心拍、睡眠、体表温、歩数、カロリーのうち、必要な情報を取捨選択して管理できるカスタマイズ機能を搭載する予定です」

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