(2)いきなりケンカを売る言葉
政治家や高官は、恐らく自ら意図しない主旨に対する批判に納得していないのでしょう。趣旨が違うのだから批判はお門違いであるという感情が全面に出ています。だから謝罪としても成り立たないのです。
謝罪の場面で自らの感情が表に出てしまうことはタブーです。人に頭を下げるのに慣れていないエライ人物による、心無い謝罪は事態の鎮静化どころかさらなる炎上を呼びます。言葉で「お詫び」したかどうかは問題ではなく、謝罪の気持ちを伝えられるかどうかこそが重要です。反省の意思が全く伝わらない謝罪会見にほぼ意味はありません。
なぜこんなひどい言葉遣いが多用されるのでしょう? 謝罪含む不祥事の記者会見でも弁護士が同席することがあります。また危機管理として弁護士が介入した結果、非常に上首尾に事態が収束することもあります。何より裁判になれば、自ら不利になり得るような発言は控えなければならないのでしょう。
ところが過剰な防衛をした結果、穏便に終わることもできたはずの謝罪が、いきなり裁判沙汰、いわばケンカ腰のやりとりにエスカレートしてしまうのです。
Copyright (c) INSIGHT NOW! All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング