世界の漫画市場の構造が急速に変化する中、国内出版社の今後の進み方が問われている。とりわけ成長が予想されるデジタル分野での戦略がカギになる。
しかし日本の漫画は正規ライセンスで作品を海外に届けるプラットフォームが限られているのが現状だ。一方でWEBTOON(ウェブトゥーン)といった韓国のタテヨミマンガのプラットフォームが海外で広がり始めている。
そうした中、2019年1月にスタートした集英社「MANGA Plus by SHUEISHA」(以下、MANGA Plus)の躍進が注目されている。マンスリーアクティブユーザー数は500万超、日本の連載と同時に40〜50作品を海外に無料で届ける仕組みだ。しかも国内の「少年ジャンプ+」編集部が運営している。この狙いを「少年ジャンプ+」副編集長で、本事業に携わる籾山悠太氏にうかがった。
その話からはMANGA Plusが一般にイメージするデジタル漫画のプラットフォームと異なること、またそれ自体が収益モデルでないことが分かってきた。MANGA Plusは「作品と作家とファンをつなげる場」、まさに作品を創出する漫画雑誌そのものなのだ。だから、編集部が自ら海外展開をしているのである。
MANGA Plusがなぜ異例なのか。世界市場において、日本漫画はどんな可能性があるのか、籾山氏に聞いた。
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