自販機になぜ「猫草栽培セット」が? 生まれ変わった「無印良品 新宿」の狙い地域密着(1/3 ページ)

» 2021年09月09日 14時57分 公開
[ITmedia]

 無印良品を展開する良品計画は9月10日、東京・新宿にある「MUJI 新宿」と「無印良品 新宿」をリニューアルオープンする。コロナ禍で新宿を訪れる人が激減したことを受け、新しい取り組みをいくつも打ち出している。

「無印良品 新宿」の目立つ場所に自動販売機が登場

MUJI 新宿は環境問題や家具に特化

 MUJI 新宿は、環境問題などを意識した商品や、アートをテーマとした雑貨・家具に特化した旗艦店として生まれ変わる。

 具体的には、無印良品最大となる「ReMUJI」売り場を新たに展開する。無印良品の衣装全般(下着を除く)、タオル、シーツなどを回収し、染め直して新しい商品として販売する取り組みだ。同店舗では、これまで染めに回せていなかった素材や色も対象とする。ほつれや破れなどがあるものも、パッチワークなどの加工をして再商品化する。「染めなおした服」を1990円、「洗いなおした服」を990円などで販売する。また、店舗限定カラーの商品も用意した。この活動を盛り上げるため、都内の店舗に使わなくなった衣料品の回収ボックスも設置する。

回収した服を染め直して売る「ReMUJI」売り場

 製造過程で発生した傷や汚れのせいで、使用する分には問題ないが販売できなくなってしまった商品を販売する「もったいない市」を初めて常設する。店内には、サンプル品や傷のついた商品が並んでおり、最大で5割引きで販売する。例えば、「重なるラタン長方形バスケット・中」は2290円が正規の価格だが、店内ではサンプル品が1790円で販売されていた。

「もったいない市」を初めて常設する

 アートやデザインを軸とした置物・家具をそろえた国内最大の「イデー」売場を展開するだけでなく、地域の作家やクリエイターを招いたイベントを定期的に開催する予定だ。

 その他、同店舗では、さまざまなバックグラウンドを持つ利用者のために男女共用トイレを設置したり、フードロス活動に取り組んだりする。

 MUJI 新宿店長の永戸順也氏は、「ESGに特化した店舗として、より多くのお客さまにメッセージを発していきたい」と意気込んだ。個性を際立たせ、とがったコンセプトを打ち出すことで、遠方からでも“わざわざ”訪れたい店づくりを目指す。

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