日本の中古市場が拡大しています。SDGsの流れにも乗り、世界中で「もったいない」の意識が醸成され、循環型の社会へとシフトしつつあります。特にミレニアル世代とZ世代を中心に、「新品を購入して所有する」ではなく「中古品を再利用する」という価値観が広がっています。
この流れの中で、新しい中古ビジネスも登場。細分化の傾向も強まっており、参入企業にとっても消費者にとっても大変魅力的な市場となっています。
中古市場のこれからの可能性について、小売り・サービス業のコンサルティングを30年間続けてきたムガマエ株式会社代表の岩崎剛幸が分析していきます。
中古市場の中で最も代表的なリユース市場はどのような変化を遂げているのでしょうか。
2020年の市場規模は2兆4169億円。前年比102.5%と成長しています。そして、驚くことに09年以降、11年連続で拡大。10年間の年平均成長率は7.8%です。日本ではさまざまな市場が縮小傾向にある中で、リユース市場は希少な成長市場といえます。
中古市場を表現する代表的な言葉に「3R」があります。Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の総称で、リデュース・リユース・リサイクル推進協議会では次のように定義しています。
(1): Reduce(リデュース) ごみなどムダの減量
製品をつくる時に使う資源の量を少なくしたり、発生する廃棄物を少なくしたりすること。耐久性の高い製品の提供や製品寿命延長のためのメンテナンス体制の工夫なども含む。
(2): Reuse(リユース) 再使用、再利用
使用済製品やその部品などを繰り返し使用すること。一般的な中古市場の概念はリユース。そのための製品提供、修理・診断技術の開発、リマニュファクチャリングなども含む。
(3): Recycle(リサイクル) 再循環
廃棄物などを原材料やエネルギー源として有効利用すること。それに関連する製品設計、使用済製品の回収、リサイクル技術・装置の開発なども含む。
今回の記事で取り上げるのはリユース市場です。使用済みの商品を買い取る、再販する、売却するを繰り返し、製品を捨てずに寿命を延ばすことで成り立つ市場です。
今、このリユース市場が細分化し、新たな売り方や新たな店舗が続々と生まれています。
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