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» 2021年10月08日 08時00分 公開

“時代錯誤”から残業ゼロ、週休3日に! 鳥取の不動産会社がレガシー企業からDX先進企業になれたワケたった一人の熱意が会社を変えた!(1/4 ページ)

スケジュールをホワイトボードで管理し、書類は紙に記入してファイルにとじる。そんなアナログな環境から見事DXを果たしたウチダレック(鳥取県米子市)。地方企業としては珍しいDXノウハウ書籍『超効率DXのコツ』まで出版した、その極意とは? 書籍の著者でもあり、同社専務でもある内田光治氏に話を聞いた。

[酒井麻里子,ITmedia]
photo ウチダレック専務 内田光治氏

 「うちの会社はアナログだからDXは無理」そんな風に諦めている中小企業経営者は多いのではないだろうか。DXとは何も、都心の企業にだけ関係し、また実現可能なものではない。そのことを身をもって証明したのが、鳥取県米子市で不動産の仲介・管理などを手掛けるウチダレックだ。

 「社員約50人のスケジュールをホワイトボードで管理」「厚さ20センチの書類ファイルがデスクに積まれている」そんな“超アナログ”な状態から改革を遂行し、営業利益2.5倍、週休3日制導入など大きな成果を出したという同社だが、その極意とは? 創業50年を超える同社の3代目で、改革を指揮した専務の内田光治氏に話を聞いた。

老舗企業の若き3代目が目撃した超アナログ業務

 内田氏が事業承継のため故郷の鳥取に戻り、ウチダレックに入社したのは2016年。そこで目にしたのは、あらゆる業務をアナログで管理する“時代錯誤”と形容されても仕方ない光景だった。

 当時52人いた社員のスケジュールは、全て事務所のホワイトボードに記入。当然、書き忘れが発生したり、別店舗からはスケジュールを確認できなかったりといった問題が生じ、効率的とは言いがたい状況だったという。

 「水漏れなど入居者からのトラブル対応は、紙の『問い合わせ票』で管理していました。問い合わせ票を挟んだファイルの厚さは、20センチはあったでしょうか。対応漏れなども発生しやすい環境だったので、クレームにつながる危険を常にはらんでいました」と、内田氏は当時を振り返る。

photo 電話対応のほか、賃貸契約の書類なども全て紙で管理していた

 さらに、業務の属人化も深刻な課題だった。先述の問い合わせ対応も一人のスタッフだけで長年担当していたため、ノウハウが他の社員に共有されておらず、担当者が休んだら業務が滞ってしまう始末である。

 当時ウチダレックでは、不動産の仲介・管理という業種の特性上、入居者などから「例えばお怒りの電話など、温度感が高い」(内田氏)問い合わせが多かったという。ベテラン社員であれば“経験や勘”で手慣れた対応ができるところ、新人社員ではそれができない。不慣れな社員が「対応の仕方が悪い」と怒鳴りつけられる光景を目撃した内田氏は、「業務フローが標準化、可視化されていないことが原因なのに」と、怒りに似たもどかしさを感じたという。

 もともと新卒で楽天に就職し、その後フィンテックベンチャーへ勤務するなど、業務にITを活用するのが当たり前の環境に身を置いていたという内田氏。「このままでは、うちの会社は生き残れない」という強い危機感を抱き、改革を決意したと話す。では、まず何から着手したのだろうか?

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