グローバルで戦う日本企業の戦略人事 今見直すべき“3つのポイント”「ニューノーマル×グローバル」に勝つ人事(1)(1/3 ページ)

» 2021年10月14日 07時00分 公開
[藤野淳史ITmedia]

新連載:「ニューノーマル×グローバル」に勝つ人事

日本企業が、グローバル市場で求められる組織能力を獲得し発揮するために必要なことは何か──。

多くの日本企業のグローバル化の支援実績を持つマーサージャパンのコンサルタントが、ニューノーマル時代に見直すべきグローバルの人事戦略の在り方を解説する。

コロナ禍は「グローバル化の危機」なのか

 英エコノミスト誌は2020年を「全てが変化した年」と形容した。21年後半の今も、新型コロナウイルスのパンデミックは、政治・経済・ビジネス・社会・文化のあらゆる領域に大きな影響を与え続けている。

 人・物・資金・アイデアの国境を越えた交流により発展してきた企業活動やグローバル経済は、特に感染拡大の影響を大きく受けた。

 サプライチェーンの途絶や貿易制限措置の増加に、自国中心主義の風潮もあいまって、グローバル化の危機や終焉(しゅうえん)といった指摘も存在する。

 確かに20年の貿易量は前年比5%、外国直接投資は42%減少しており、21年に入って貿易量が回復の兆しを見せる一方、外国直接投資は回復に時間を要すると予想されている。しかしながら、各国企業の多くは新たな環境に対応すべく、サプライチェーンを再構築するとともに、デジタル技術の活用を進め、グローバルでの事業展開を再び推進しようとしている。国や産業による差異はあるにせよ、今後もグローバル化は進んでいくと思われる。

 こうした事業環境の変化に鋭敏に反応し、グローバル市場でダイナミックに成長を果たしていくために、どのような経営戦略・人事戦略が必要だろうか。

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