このようなケースは決してまれなものではありません。組織力の向上を採用に依存してしまったことによって、結果として組織構築に失敗してしまう企業は少なくないでしょう。
そこで近年注目されている「セールスイネーブルメント」という言葉を紹介します。
冒頭にもある当社のアンケートでは、営業担当者による認知度が51.3%で、経営者層や営業部長クラスだけではない層にも注目されてきています。
セールスイネーブルメントとは、簡単にいうと「テクノロジーを使って営業組織を強化・改善するための取り組み」です。
具体的には、新人営業担当立ち上げの入社オンボーディングから、持続的なトレーニング、営業活動の効率化、データを使った分析での振返りなど、一気通貫で行う仕組みです。
米国では、過半数の企業がセールスイネーブルメント専門の部署を持っており、営業戦略から育成、活動の効率化まで一気通貫で担当しています。
日本でもすでに取り組まれている企業はありますが、依然として育成は人事部が担当、活動は営業部が担当するなど、施策ごとに別のセクションで行っている企業も多くあります。
そうなると、研修で学んだことが現場で全く生かされなかったり、営業担当が集めてきたデータを十分に生かすことができなかったりという非効率性が生まれてしまいます。
これから、日本ではさらなる有効求人倍率の上昇が予想されており、今よりも人材採用の難易度が上がっていきます。そうなると、今まで以上に「中途採用」のみで営業組織力を向上させていくことは難しくなっていくでしょう。
今後、営業組織に必要なのは「中途採用」依存ではなく、社内の人材育成や営業担当が成果を出しやすい仕組みづくりに目を向けて、セールスイネーブルメントを取り入れていくことなのではないでしょうか。
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