「あなたは保険に入る必要はありません」 マネフォとライフネットが始めた保険診断が面白い金融ディスラプション(4/5 ページ)

» 2021年10月22日 07時00分 公開
[斎藤健二ITmedia]

保険大国日本

 日本は公的医療保険制度が充実していて、働けなくなったときでも健康保険加入者であれば、傷病手当金が最長1年6カ月支給されるなど、さまざまな社会保障が用意されている。にもかかわらず、生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(令和元年版)」によると、約8割の人が生命保険に加入している。さらに、7割以上が医療保険に、4割近くががんに対する保障に加入している。

生命保険加入率(生命保険文化センター)

 同センターによると、世帯あたり年間で払っている保険料は平均で37.1万円となっており、月平均で3万円を超えている。10年で371万円、30年で1100万円を超える計算だ。一方で、総務省の家計調査報告(令和2年)によると、勤労者世帯(2人以上)の貯蓄額は、平均で1378万円、中央値は782万円だ。

 この貯蓄の内訳を見ると、「生命保険など」が22.1%を占めており、株式などの有価証券は11.5%に過ぎない。金融庁などが「貯蓄から投資へ」と旗を振っても、実際にお金を費やしているのは保険というのが実情だ。

日本は資産に占める貯蓄の割合が高いといわれるが、生命保険などの比率も株式など有価証券より高い(総務省の家計調査報告 令和2年)

 昨今は、外貨建て変額保険など、保障だけでなく運用も組み合わせた保険商品の販売が盛んだ。こうした保険はどうか。志賀氏は、すべての貯蓄型保険に当てはまるとは限らないとした上で、「分離した方が効率がいい。初めは保障と資産運用がいっしょにできたら、一石二鳥ではないか思っていたが、分けて計算してみると効率が違う」と話す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.