「空飛ぶクルマ」万博での実用化目指す ドローンで実証実験機体の公開も(2/2 ページ)

» 2021年10月25日 09時40分 公開
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世界最小クラスの機体を実現

 また同日、地域住民を集めて、飛行実験の見学、空飛ぶクルマ「SD-03展示機」の機体展示を開催した。安全面の取り組みの紹介や説明、アンケートを実施し、空飛ぶクルマの理解促進につなげる狙いだ。

空飛ぶクルマ 公開された機体「SD-03」

 「SD-03」は、8枚のプロペラを前後左右の4カ所にとどめることで、世界最小クラスの機体サイズを実現。かつ、十分な揚力を得ることを目指して開発が進められている。

空飛ぶクルマ

 空飛ぶクルマは、正式名称を「電動垂直離着陸型無操縦者航空機(eVTOL:electric vertical takeoff and landing)」といい、電動化、完全自律の自動操縦、垂直離着陸が大きな特徴。

 世界各国で空飛ぶクルマの開発が進んでいて、日本でも18年から「空の移動革命に向けた官民協議会」が開催され、都市部でのタクシーサービス、離島や山間部の新たな移動手段、災害時の救急搬送などにつながるものとして期待されている。日本では、23年ごろの事業開始、30年の本格普及に向けたロードマップ(経済産業省・国土交通省)が制定されている。

空飛ぶクルマ (出典:空の産業革命に向けたロードマップ 経済産業省)

 20年8月に空飛ぶクルマの有人飛行実験に成功した同社は、大阪府市と連携協定を結んでいて、25年の大阪・関西万博では、輸送手段としての活用が期待されている。同社の福澤知浩CEOは「25年の万博、30年の本格事業化に向けて、今後も実証実験を続けていきたい」とコメントした。

空飛ぶクルマ SkyDrive福澤知浩CEO

 実用化に向けて、ルール作りや機体の安全性などクリアしなければならない課題は残るが、空飛ぶクルマが新たな移動手段となることを期待したい。

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