近年、クルマの先進運転支援システムが充実していく中で、ペダル踏み間違いによる誤発進を抑制する機能も搭載され、進化を続けている。
SIP-adus(戦略的イノベーション創造プログラムの1つ、自動運転分野)が主催した自動運転車の試乗会において、ダイハツのタフトに搭載されている誤発進抑制機能「スマートアシストIII」の実際の働きを助手席で確認した。これは駐車時に利用するクリアランスソナーを用いてクルマの前後の障害物を検知し、ブレーキと間違えてアクセルペダルを踏み込んだ際に加速を8秒間抑制する。
スマートアシストIIIではブレーキの制御も加わっていて、ペダル踏み間違いによる警報に気付かずドライバーがアクセルを踏み込み続けても、ゆっくりとクルマが動き始めるだけでなく、最終的にはソナーで障害物との距離を検知して、衝突する前にブレーキを作動させて(その時点でスロットルバルブは閉じるので加速もしない)、停止させる。実際に試してもらうと、ソナーだけの後退時でもしっかりと障害物を認識してブレーキが作動し停止した。
同様の仕組みは他社のクルマにも採用されているが、クリアランスソナーを利用する方式では進路に障害物がない状態では急発進してしまう可能性もある。したがってアクセルを強く踏み込んだと検知したら、とりあえず加速を緩慢にさせるような制御を盛り込んでいる車種もある。このあたりの塩梅(あんばい)は難しいのだか、最近は走行中のクルマからさまざまな情報を吸い上げており、自動車メーカーは踏み間違い事故の際のアクセルペダルの踏み方を分析している。
トヨタは運転に不安があるドライバー向けに「プラスサポート」という専用のスマートキーを使ったシステムを提供している。これは「プラスサポート用スマートキー」で開錠、イグニッションをONにすることによりプラスサポート機能が作動し、障害物がなくてもアクセルペダルの踏み込み方から踏み間違いと判断すると加速を抑制してくれる。
スマートアシストIIIを搭載したダイハツ タフトで、衝突被害軽減ブレーキと誤発進抑制機能を体験した。誤発進抑制機能は、後退時にペダル踏み間違いに気付かず動き出しても、最終的にはブレーキが作動して車体をしっかり停止させてくれた
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