内部通報に「パワハラではない」と誤判断──法改正で義務化された内部通報制度、運用のポイントとは弁護士・佐藤みのり「レッドカードなハラスメント」(1/2 ページ)

» 2021年12月15日 16時00分 公開
[佐藤みのりITmedia]

連載:弁護士・佐藤みのり「レッドカードなハラスメント」

ハラスメント問題やコンプライアンス問題に詳しい弁護士・佐藤みのり先生が、ハラスメントの違法性や企業が取るべき対応について解説します。ハラスメントを「したくない上司」「させたくない人事」必読の連載です。

 ハラスメントの相談窓口については、各社さまざまなものを設けています。そんな中でも、内部通報制度(公益通報制度と呼ばれることもあります)は、ハラスメント相談の重要な受け皿の一つになっています。

 しかし、制度が形骸化し、うまく機能しなかったり、通報後の対応が不適切だったりと、内部通報制度についてはさまざまな問題が生じやすく、中には訴訟に発展したケースもあります。

 今回は、内部通報の窓口担当者が被害者に対し「加害者に悪意はなかったのでパワハラには当たらない」と伝えたが、被害者が起こした裁判でハラスメントであると認定されたケースを例に、内部通報の適切な運用について考えます。担当者の判断に、違法性はないのでしょうか。

内部通報制度とは

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