というのもグレン・クライドの売り上げは、大手衣料品メーカーのOEMが4割ほどを占める。そのほか輸出が3割で、店舗での売り上げは3割にも満たない。しかも、店舗ではユニセックスブランドの「CHUP(チャップ)」や女性向けの「Atelier GLEN CLYDE(アトリエ・グレン・クライド)」、耐久性・希少性の高い綿を使用した「Sea island cotton(シー・アイランド・コットン)」なども扱っており、LIFE LONGの売り上げが全体に占める割合は1割程度にすぎないという。
「LIFE LONG」の価格は交換率5%でも利益が出せる設定にしてあるとのことだが、2018年の販売開始から4年弱が過ぎた現在の交換率は1%に届かないと橋本社長は明かす。交換が面倒くさい、プレゼントの場合にわざわざ交換に来ないなどの理由が考えられるという。
とはいえ、これから5年、10年とたつ間に穴が開いた靴下の交換に来る人が増えてくるのは目に見えている。しかし橋本社長は「たとえ交換率が想定の5%を超えるようなことがあっても永久交換保証をやめるつもりはない」と言い切る。
確かに、一度始めてしまったサービスを撤回するとなればブランド、引いては会社の信用を失うことにもなりかねない。「永久交換保証」をうたい続けるため、グレン・クライドでは従来品よりさらに耐久性の高い靴下の開発に取り組んでいるという。
LIFE LONGブランドの交換の条件と交換方法は、同社の公式Webサイトによると以下のようになっている。
【交換条件】
【交換方法】
では、どんな人たちがLIFE LONGブランドの靴下を買っているのか。ブランドのイメージからは普通の会社員を想定しているように思えるが、実際は違う層の購買が多いという。
「想定は会社員だが、実際に交換に来るのは『安全靴』を履くような職業の人がほとんど。交換のついでに10足くらい追加でまとめ買いをしていくこともある」と橋本社長。また、女性がプレゼント用に買っていくケースも多いという。取材中にたまたま店舗を訪れた女性がLIFE LONGブランドの靴下を手に取っていたので話を聞いてみたところ、やはりプレゼント用とのことだった。
LIFE LONGブランドは男性用となってはいるものの、カラーバリエーションが豊富なため、自分用に購入する女性もいるようだ。「今後は女性向けにサイズの小さいタイプも展開したい」と橋本社長は話す。
取材に当たって筆者も自分用に2足、永久交換保証ソックスを買ってみた。いつか、それらに穴が開いたときは交換対応のレポートができればと思う。
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